#PDF_nana

幸せも、悲しみも、恐怖も、愛情も。

「まったく…なんでこんな馬鹿なことしたんだ。」

ミオを新しい家族の元へ引き渡した。

僕には、自慢の兄がいる。

ピンポーン

弟のことを、愛していた。

「ねぇ、今日も泊めてくれない？それかなんかいいホテル教えてよ。」

僕は、大馬鹿者だ。

(これより、常夏涼の死刑を執行する。何か、言い残したことは。)

昔から、1人でいることが多かった。

「おい、あんた。」

(ミナト〜！今からカラオケ行くんだけど、一緒に行かない？)

人なんて、信じるだけ無駄だ。

悲劇の街に住む少女と愛情の街に住む女性、1度しか会ったことはないが、1ヶ月に1度の定期郵便が彼女達の絆を繋いでいた。

恐怖の街の境界近くへ配達に行った時、ある女の子に出会った。

全部、私が悪かったのかもしれない。

悲劇の街(ヴィル ドゥ トゥラジェディ)─パラディ ディ フルールの西側にある、海が綺麗な港町だ。

恐怖の街(ヴィル ドゥ プール)─パラディ ディ フルールの南側にある、貴族などが暮らす華やかな待だ。

『あの、曲についての話し合いなんですけど、もしよかったら電話で…お話しませんか？』

あの方の奏でる音楽を聞いた時、まるで恋に落ちたような感覚がした。

キーボードを叩く音だけが部屋に響く。

「お父様、お母様。私、2人に紹介したいお方がいるの。」

俺には好きな人がいる。と言っても、1度しかあったことのない、それもどこの街に住んでいるのかもわからない子だ。

「いや！離して！誰か助けて…！！」

(ララちゃんは今日もかわいいね)

「いらっしゃいませ！」

人を笑顔にしたいと、喜ばせたいと、元気づけたいと、そう思うことが多かった。

「リア、さっきお友達から聞きましたよ。また怪我をしたんですって？」

「お姉ちゃん！今日もまたかっこいい人を見つけたの！この街ってなんでこんなにイケメンが多いのかしら？」

ある休日の昼下がり─

僕の家庭事情は少し複雑だ。

僕には夢がある。警察官になることだ。

愛情の街(ヴィル ドゥ アムール)─パラディ ディ フルールの北側にある、農産業が盛んな街だ。

幸運の街(ヴィル ドゥ ボヌール)─パラディ ディ フルールの東側にある、製造業や小売業が盛んな街だ。

ここは、