ヒッチコック
🌼左近允大志 × 雛岸栄治🌼
ヒッチコック
- 65
- 12
- 0
ある休日の昼下がり─
「大志は、高校を卒業したらどうするんですか?進学?」
「いや、うーん…それがまだ決まってないんだよなぁ…。金銭面で家族に負担かけたくないから、多分大学には行かない。」
大志は高校3年生、つまり進路をどうするか本気で考える必要がある年齢なのだ。
「ご両親に相談は?というか貴方何でこんな大事なことまだ決めてないんですか。」
「親には一応就職するとだけは伝えてるけど…栄治はすごいよなぁ、ちゃんと夢があるんだもん。」
栄治には、警察官になりたいという立派な夢がある。しかし大志は、将来の夢というものを持っていない。家族が、幼なじみが、友達が、この街に暮らす人達が幸せならそれでいい。ただそう思うだけであった。
「…大志はもっと、自分本位に物事を考えてもいいと思いますけどね。」
そう言い栄治は立ち上がり、さっさと部屋を出ていってしまった。
「自分本位って……なんだ??」
大志は、今まで家族を中心に世界がまわっていたもので、自分のことは二の次だったのだ。
ピコンッ
しばらく呆然としていると、突然メールが送られてくる。送り主は雛岸栄治。
『幸運の街、人気職業ランキング!高卒でも安心して働けます!』
そんなページのURLのみが、本文もなく送られてきていた。
彼も彼で、とても不器用なのだ。
大志は少しだけ笑みを零し、家族の元へ向かった。
「ねぇ父さん、母さん、僕ね─」
---------------------------------------------------------------------
左近允大志💐雛岸栄治 デュエット「ヒッチコック」
(大志)「雨の匂いに懐かしくなるのは何でなんでしょうか。」
「夏が近づくと胸が騒めくのは何でなんでしょうか。」
(栄治)「人に笑われたら涙が出るのは何でなんでしょうか。」
それでもいつか報われるからと思えばいいんでしょうか。」
(大志)さよならって言葉でこんなに胸を裂いて
(栄治)今もたった数瞬の夕焼けに足が止まっていた
(二人)「先生、人生相談です。
この先どうなら楽ですか。
そんなの誰もわかりはしないよなんて言われますか。
ほら、苦しさなんて欲しいわけない。
何もしないで生きていたい。
青空だけが見たいのは我儘ですか。」
---------------------------------------------------------------------
💛左近允 大志 (cv:かまぼこ)
💛雛岸 栄治 (cv:白虚)
#PDF_nana
Comment
No Comments Yet.