死ぬにはいい日だった
🌼ノエル・ラスペード × ミオ・ルーゼル🌼
死ぬにはいい日だった
- 66
- 8
- 0
「まったく…なんでこんな馬鹿なことしたんだ。」
「僕、悪くないもん…。ノエル兄さんのせいだよ。」
「インターホンを押せばいいだろ?」
「あっ……わすれてた…」
傍から見ると、年の離れた兄弟の可愛らしい兄弟喧嘩に見えるだろう。
ノエルがミオの手に包帯を巻きながらゆるく叱る。
ミオは全く反省していないようだが。
「どうやって、ここへ?新しい家族はどうしたんだ?良い人達だっただろう。」
「街の人達にききながら、戻ってきた。良い人達だったけど…でも僕、やっぱりノエル兄さんと一緒じゃなきゃいやだ!」
「……ダメだ。俺はもう、ミオと一緒に暮らせない。明日、一緒にあの人達の家に行こう。」
「いやだ、絶対にいやだ!」
「ミオ!!わがままを言わないでくれ…頼む……」
ノエルにとって、ミオがこんなに自分の言うことを聞かないことは初めてだったのだ。
同じくミオも、ノエルに怒鳴られたのは初めてだった。
大粒の涙を流すミオを見て、ノエルは我に返る。
自分は、どこまで酷い人間なのだろうと。
「ノエル兄さん、死んじゃうの…?」
ミオの言葉に、目を見開いた。
どうして、わかったのだろう。冷や汗がノエルの額に浮かぶ。
「…ねぇ、僕も連れて逝って。」
「本当に、いいんだな?怖くないのか?」
「ノエル兄さん、しつこい…。」
「お前な…」
夜の海。波の音と2人の声だけが辺りに響き渡る。
ミオがノエルの手を握る。
「ノエル兄さんと一緒だから、怖くなんてないよ。」
ノエルも、ミオの手を強く握り返す。
「…逝こうか、ミオ。」
『もう、離さないでね。』
沈む直前、ミオの口がそう動いたような気がした。
『次のニュースです。昨夜20時頃、悲劇の街に住むミオ・ルーゼルさん11歳が何も言わず家を出て行ったきり戻ってこないと警察に通報がありました。街の住人達に聞くと、それらしき男の子から街外れにある孤児院への行き方をたずねられた、という証言がいくつもあるようです。
ルーゼルさんは、その孤児院からつい先日、通報があった家に引き渡されたばかりとのことでした。
そして同じく昨夜、その孤児院の院長であるノエル・ラスペードさん27歳の行方もわからなくなっていることが判明しました。
警察は、この2つの行方不明事件に何らかの関連性があると見て捜査を進めているようです─』
---------------------------------------------------------------------
ノエル・ラスペード💐ミオ・ルーゼル デュエット「死ぬにはいい日だった」
(ミオ)夏のさ花が咲いて嫌になって日和ってた
(ノエル)誰かの目のことや日々のこと気にしてた
(ノエル)だらだら生きてた 冷めてた眼差し
(ミオ)思い出だけある街並みを踏みつけてた
(二人)涙が零れたあなたに触れて
さよなら忘れて突き刺さる惨めなまま
---------------------------------------------------------------------
💙ノエル・ラスペード (cv:水葬)
💙ミオ・ルーゼル (cv:ろじっく)
#PDF_nana
Comment
No Comments Yet.