君に届け
💐金木 薫💐
君に届け
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俺には好きな人がいる。と言っても、1度しかあったことのない、それもどこの街に住んでいるのかもわからない子だ。
所謂一目惚れ、と言うやつなんだろうか。
警察官を志すきっかけになった事件、あの時出会った彼女のことが今も忘れられないのだ。
俺は今、恐怖の街にある交番へ来ていた。どうやら恐怖の街では、警察官という職業は人気がないらしく万年人手不足だそう。
そのため、基本的に街同士の往来は禁止されているのだが、緊急を要するということで俺が派遣された。
2ヶ月ほどの、長めの出張だ。
夜のパトロールをしていた。
この辺りには貴族の家が集まっているらしく、どこもかしこも豪邸ばかりだ。ふと空を見上げる。
「今夜は星が綺麗だな…」
「貴方は…」
その時、どこからか声が聞こえたような気がした。
キョロキョロと周りを見渡すと、左側にある家の窓から誰かが俺のことを呼んでいたようだ。
「あっ、こんばんは!怪しいものではありません、そこの交番の警察です。夜のパトロールをしていたところなんです!」
もしや不審者と思われたか?と焦って少し早口気味に言葉を返す。
相手の顔は、逆光と暗闇でよく見えない。
「私のこと、覚えていらっしゃらない…?」
不安そうな、だけどどこか期待したような声が、夜の街に響いた。
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キンモクセイ💐金木薫 ソロ「君に届け」
つぶらな瞳も 鼻にかかる
じゃれた声も その小さな手も
うまく笑えない 君が笑えば
あの日みた夢が また一つ叶う
行き交う他人たちの 幸せ
自分のことのように
どうして ねぇ 願うの?
君に逢えたこと 本当によかったと
そう言える その笑顔を守りたい
来年も再来年も 今以上に君が好きで
それくらい 僕の全てで
僕にしか言えない言葉を
今 君に届けたい
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💗金木 薫 (cv:てば)
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