いかないで
💐ミオ・ルーゼル💐
いかないで
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僕には、自慢の兄がいる。
6歳の頃両親を亡くした僕を引き取ってくれて、育ててくれた親代わりであり、かっこよくて優しいノエル兄さん。
僕たちが暮らす孤児院の近くには海があって、そこがノエル兄さんのお気に入りの場所らしい。
僕もよく連れて行ってもらうんだ。
海は好きだ。透き通った青がとても綺麗で、波の音は心地よい。
「ノエル兄さん、海、きれいだね。」
「…あぁ。すごく、綺麗だ。」
海を見つめるノエル兄さんの瞳は、まるで何かに焦がれているようで。
僕はノエル兄さんのそんな瞳が嫌いだった。
最近、他の子たちがどんどん新しい家族を見つけて孤児院を出ていく。
一昨日は3人、昨日は1人、今日は2人…。
ついに、孤児院に残ったのは僕とノエル兄さんだけになった。
嫌な夢を見て目が覚める。
外はまだ真っ暗で、時計を見ると夜中の2時。
妙な胸騒ぎがしてリビングに向かうと、ノエル兄さんが居た。
「…ミオか。どうしたんだ、こんな時間に。眠れないのか?」
「ねぇノエル兄さん。ノエル兄さんは、僕のそばからいなくならないよね…?」
ノエル兄さんは、何も言わなかった。
ただ僕の手を引いてベッドに向かい、僕のことを抱きしめたまま眠りについた。
次の日、僕は新しい家族の元へ引き渡された。
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ワスレナグサ💐ミオ・ルーゼル ソロ「いかないで」
何でもないと 口をつぐんだ
ホントはちょっと 足を止めたくて
だけどもきみは早足で すっと前を行くから
ぼくはそれを 見つめてる
最終便 きみは乗る ぼくを置いてって
はしりだす ゆっくりと 地面がずれていく
泣いちゃだめ 泣いちゃだめ でもホントは言いたいよ
「いかないで」
遠くへと 消えていく ぼくを置いてって
もう随分 見えないよ 夜が崩れていく
泣いちゃだめ 泣いちゃだめ でもホントは言いたいよ
「いかないで」
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💙ミオ・ルーゼル (cv:ろじっく)
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