〈第3話〉愛と狂気は紙一重【前編③】
台本:由季 BGM:『BGM180128 ピアノ / アンニュイ / 憂鬱』HomeMadeGarbage SoundTracks様
〈第3話〉愛と狂気は紙一重【前編③】
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【CEA】〈第3話〉愛と狂気は紙一重【前編③】
オリヴァー「……詮索はそこまでだ。君は我々のファン、ということだが、いつ、どこで、誰から、どうやって知ったんだい?」
ティナ「………お兄様、どうして怒っていらっしゃるの?」
オリヴァー「分からない?」
ティナ「………」
オリヴァー「それが分からないなら、君と話すことはない。」
本気だという姿勢を崩さないオリヴァーにティナは両手を上げて降参した
ティナ「………とんだご無礼を。申し訳ありません。オリヴァー様、私は何もご迷惑をおかけしようとここへ押しかけたわけではありません。」
オリヴァー「現に我々を不快にさせておいて、その言い草はないんじゃないか?」
彼の目は、さっさと用件を話せと物語っている
ティナ「……では単刀直入に言わせていただきます。……クレア・ロゼッタさん、私は貴女が欲しい」
セオ「……はぁ!?」
思わず声をあげてしまったセオ
だが、当の本人であるクレアは、"まだ”冷静だ
クレア「……何故?」
ティナ「……クレア様、私ね、一目惚れだったのよ?貴女を街で見かけたときから…!あぁ!何て素敵な『指』なんでしょう…それからはずっと貴女に夢中だったわ」
セオ「……指?」
ティナ「セオ様もご覧になって!クレア様のこのしなやかな美しい指を!」
ティナはクレアの指を恍惚とした表情で凝視する
ティナ「……私、ずっとこんな指になりたかったの。最初は、こんな美しい指を血で真っ赤に染め上げるなんて、許せなかった。でもね、見方を変えたら、それも美しいと思ったのよ。クレア様が手を汚すのは、私の手で綺麗に仕立てられたいからなんだって!あぁ、なんて可愛らしいの…!」
セオ「………異常だ」
ティナ「愛は人を変えるんです!さぁ、クレア様!お手を!私がその薄汚れた手を綺麗にしてみせますわ!」
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