37話
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微雨「そ、そんな…………」
調「……お前ら、こんなことに巻き込んですまなかった。
さて魔王、よくも国民をこんなことに巻き込ませたな。……いやそもそもあの時俺が攫われなければよかった話なんだが。」
皐葵「王様……!よく戻ってきてくださいました……!」
調「前に言っただろ皐葵、そのブローチがいつか役立つ時が来るって。それが今回だったんだ。」
微雨「何、それ……」
調「これのことか?これは俺の魔力を閉じ込めてるブローチだ。身につけてる者がピンチになった時効果を発揮し、全回復か正常に戻す物だ。」
氷利「なんでそれを最初から言わなかったんですか……?」
調「たとえ致命傷を受けたとしてもこれがあるって思ってほしくなかったからだ。でも効果が発揮された以上、隠すのもあれだからな。」
夏貴「なるほど…………」
調「魔王、そろそろ観念したらどうだ?」
微雨「……はは、そうだね。こうなってしまった以上、降参かな。あの子たちもこれ以上傷つけたくないしね。」
心陽「随分すんなり受け入れるんですね……
そういえば世界征服を目論んだ理由とかどうして王様を連れ去ったのかの理由は何なんですか?」
微雨「理由か……。……なんだと思う?」
りるむ「質問を質問で返すんですかこの魔王は!!」
涙梛「勿体ぶらずに言えばいいのにのぉ……」
紗霧「そうですよね……なんで言わないんですか?」
微雨「僕はそんなすんなり言わないよ。
自分達で見つけてみたら?」
氷利「……このままだったら、また悪さをはたらくかもしれない。」
微雨「その言葉は心外だな。もう悪さはしないよ。」
調「……その言葉、覚えたからな。」
微雨「うん。……じゃあこの話はここまで。
僕はあの子たちを呼んでこれからのことを話そうかな。
君たちも用は済んだでしょ?王様を連れて国に帰っていいよ。」
氷利「……」
微雨「疑ってるの?大丈夫だよ。男に二言はないからね。」
調「……とりあえず今は帰ろう。長居は無用だ。
だが、もし何かあったらすぐにお前を倒す。」
微雨「ふふ、じゃあその時まで待ってるね。」
調「あ、その前に1つ。おい、耳貸せ。」
微雨「え?何?」
調「……以上だ。じゃあな。」
微雨「……。」
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