刀女五話前編
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刀女五話前編
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【第五話前編】
肩の力を抜いて安心したように刀を鞘に納める朔弥。
天河「翠君、後の仕事は任せるね。気になることはあるだろうけど、まずはお仕事お仕事!」
長部「ようは二人にしてくれ、ってことだろ?分かった。先に戻っときな。」
天河「悪いね。」
場面が変わり常盤組屯所
怪我の処置も終わり、また応接間で対面になっている天河と朔弥。
天河「腕、大丈夫だった?」
朔弥「はい。このくらいでへこたれていては、侍にはなれません。」
天河「そっか。」
天河は笑顔で受け止める。
天河「それで、君の入隊なんだけど……結果としては、合格かな。」
朔弥「本当ですか!?でも、なんで。」
天河「あれ?気づいてない?じゃあ、そうだね。君はなぜ見に行くだけと言ったのに勝手にあの子の前に出たんだい?」
朔弥「あの子は両親を探していました。生きているのなら会わせてあげたいし、一人だったとしても殺されていい人間じゃない。……って、本当は体が勝手に動いたっていうのが正しいんでしょうけど。」
天河「では、なぜ氷龍に刃を向けておいて斬らなかった。」
朔弥「私はまだ一般人だからです。刀を持っている時点でよくないのかもしれませんが、斬ってしまったらどうしようもできない。私は守るためにあの子の前に立った。それだけですよ。」
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