Memory4≫ある「双子」の誕生
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Memory4≫ある「双子」の誕生
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壁も床も白い部屋。それは病院の一室だった。
硬い表情の医者は不安そうな顔で寄り添い合う夫婦に静かに告げた。
「ツツイさん、残念なお知らせです……娘さんには生まれつき心臓に重大な疾患があります」
妻はショックを受けたように顔を強ばらせ、夫はそんな妻の肩を抱き寄せた。お互いを抱きしめながら涙を流す夫婦に、医者は申し訳なさそうに言葉をつまらせる。
「そんな……」
「悲観なさらないでください。今、義体化の技術も進歩しています。娘さんがある程度成長されたら人工臓器への移植も可能です」
「人工臓器……?」
「はい、心臓となるとなかなかドナーが見つかりませんが、人工臓器であれば今は患者ごとに特注できますので」
その言葉に夫婦の目には少し希望が灯る。
夫は医者の手を縋るように握る。
「そうなんですね……!では、娘は助かるんですね!?お願いします、お金ならいくらでも払いますので娘をよろしくお願いします!」
その言葉に医者は少し考え込むような素振りを見せると、意味深に微笑んだ。
「ええ、手段は色々ありますから大丈夫。そうですね……お二人がよろしければ他の方法もお教えしましょう。しかしこの方法は他言無用です……お聞きになりますか?」
医者の言葉に夫婦は顔を見合わせたが、やがてゆっくりと頷いたのだった。
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