エピソード①《とある日のふたり》
🐈モモ&🐕リリ編
エピソード①《とある日のふたり》
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📱ユア「皆さんこんにちは!本日よりTwitterで公開したエピソードのnanaでの投稿を開始します!本日は《とある日のふたり》のエピソードを投稿いたします。こちらのサウンドでは
🐈モモさん、🐕リリさん編のエピソードを公開しております。ぜひご覧くださいませ!」
※Twitter版との変更点はございません。今後もTwitterにてエピソードをすべて投稿し終わった後にnana ver.を公開します。
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学校からの帰り道。
ふたりは共通の友人と帰路に着いていた。
学校のことについて話していた友人が、ふとふたりに聞いた。
「あっそうだ。ねぇ、やっぱふたりは持ち物お揃いにしたりとかしないの?」
「「しないよ」」
モモとリリは同時に即答した。
____モモとリリは近所でも有名な「仲の悪い双子」である。
現在はそこまで頻繁にしなくなったが、ふたりがまだ幼い頃はいつでもどこでもケンカや言い合いをしていた。
ふたりがケンカをする姿は、どう見ても「お互いが嫌いな姉妹」だった。
…実際は「お互いを大事に思っているからこそケンカが多い姉妹」だったのだが。
しかし当時それを知らなかった両親は、ふたりをなんとか仲直りさせるために部屋を別々にしたりいろいろなことを試したが、ふたりのケンカがなくなることはなかった。
ふたりは何もかもが正反対で、唯一共通するのはお互いがお互いに譲らない性格である、ということのみ。
意見の食い違いでケンカに発展することもあるが、だいたいはお互いのためを思った発言がケンカに発展していた。
そして何度も何度も言い合いやケンカを重ねた結果、ふたりは「お互いを尊重しあう」という答えにたどり着いた。
それからはふたりがケンカをする回数がぐっと減った。
…それでも多い方ではあるのだが。
「いやめっちゃ即答で笑っちゃった」
「だってあたしとリリ好きなもの全然違うからさ〜。仮にお揃いにしよって言ったとして、ふたりで全く違うもの持ってきてすぐ言い合い始まっちゃうよ」
「うん、絶対そうなる。これは自信もって言えるよ」
「う〜んそれを自信満々に言うのが本人なのがまた…」
ふたりの友人は大きくため息をつくと、
「ま、そこがふたりのいいとこでもあるんだけどね」
と笑った。
「そういうふうに言ってくれるの、家族とメンバーとチサちゃんくらいしかいないよ…。」
「うんうん。だいたいお互い直しなよって言われる」
「まっ、あんま周りは気にしなくていいよ。実際ふたり仲良いんだしさ。…あ、話してたらあっという間だ」
友人___チサがそう言うと、ふたりは目を見開いた。
「っふふ、表情がそっくり。あたしからしたら十分仲良し姉妹よ。それじゃ、また明日ね〜!」
「「ばいばい!」」
モモとリリはチサと別れ、暫くは会話も交わさずただただ歩いていたが…、
「あれ?」
「…どうしたの?」
「あんなところに雑貨屋さんなんてあったっけ…?」
「え?」
モモが指差す先には、こぢんまりとした雑貨屋があった。
「新しくできたのかな…?」
「そうかも!よしリリ、行こうっ」
「あっちょっとモモ!今日は帰ってすぐ課題やらないといけないでしょ…?今度にしようよ」
「えー、いいじゃん!てか昨日リリの言うことちゃんと聞いたんだから、今日はあたしの言うこと聞いてよ」
「…はぁ、そうだったね…。わかった、行こう」
リリはモモに手を引かれるまま雑貨屋へと向かった。
雑貨屋の中に入ると、いろいろなものが所狭しと並んでいて、好奇心のまま来たモモも、仕方なくきたはずのリリも目を輝かせた。
ふたりは無言で綺麗に左右に別れ、欲しいものをカゴに入れて会計を済ませた。
「あっリリおそーい」
「ごめん。全部可愛くて…つい」
「いいけどさ。…あっねぇリリ、あたしリリに似合いそうなハンカチ買ったの。」
「え?私もモモに似合いそうなハンカチ買ったんだけど……」
暫くの沈黙の後、ふたりは同時に吹き出した。
「えっ行動揃ったのいつぶりだろう…ふふ。はいこれ」
「あっじゃああたしも」
ふたりは笑いながらハンカチをプレゼントし合い、珍しく会話をしながら帰宅した。
とある日のふたり《モモ&リリ編》完
BGM…haruki 様「きまま」
#TwinklerTwins #ツイツイ #エピソード
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