好物を手土産に【ジーグ】
NAZNA
好物を手土産に【ジーグ】
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ジーグが珍しい場所に居た。夜に開店するアキネの店だった。
「いらっしゃーい…あ…」
「よぉ。手紙届けてくれてありがとうな。礼にはならないかもしれないが…一杯くれよ」
歓迎する様子もなく、黙々と飲み物を用意して差し出す。ジーグは気にする様子もなくゆったりと椅子に座り、静かにグラスを傾ける。
「それにしても、なんであいつは飛竜便を使わないで人伝に送ったんだろうな…」
アキネは黙ったままグラスを磨く。
数杯頼んだ後、気が済んだのかお代を置いて立ち上がった。
「ご馳走さん、居心地よかったよ…アイツどうしてんのかな…今週にでもブレイザブリクに行くつもりなんだ。アキネの事も話しておくよ」
アキネはジーグを見詰め、初めて口を開いた。
「行くの…?ブレイザブリクに。あの人に会いに」
「忙しいから会ってくれないかもしれないけどな」
ははは…と小さく笑った。そんなジーグの空気を無視してアキネは続けた。
「…そうか…あの話は………わかった。ねぇ、ジーグ、私は行かない事をすすめる。でも、行くなら話をつけるから、来週まで待って。そして、これを持って行って」
身分証明書だろうか?小難しいことが色々と書かれた羊皮紙を手渡して来た。
予定を人から色々言われるのは嫌いなジーグだったが、ただならぬ様子に口を噤んだ。
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ブレイザブリクに
「アキネに従って行く」
「予定通り羊皮紙を持たずに早く行く」
「行かない」
を選択し、アンサーと共に答える事。
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