特別短編「ミウラ屋2」(ケネディ)
秘密結社 路地裏珈琲
特別短編「ミウラ屋2」(ケネディ)
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「ミウラはね、トランスポーターしてない日はキャッチのお兄さんしてるからね、結構チャラいよ!!すぐ分かる!!」
堂々と言い切った。言い切ってやった。一回も会った事ないけど。だってそこが一番頭に残ったんだもの仕方がない。
前半いろいろと、あーだこーだ姐さんに聴いた話もちゃんと伝えはしたけれど、ちょっと自信がないから全部語尾に「かも」って小さく付けておいた。大丈夫、これで落ち度は、ない。
聴いた話によると、ミウラとはスズキが水商売の黒服絡みの仕事から完全に足を洗いきるまでの間に、その界隈で出会ったのだという。ノリと人当たりは抜群に良いが、“口の上手いやつだから、イトウと同じ感覚で最初っから気を許して接さないように”と、念押しされたとか、されなかったとか...。やはり曖昧さが付き纏うミウラから逃れるように、ブンブンと記憶を振り払い、ケネディはにこやかにバトンを託した。
「じゃ、私今日お抹茶の道具修理に持ってく約束あるから!お土産はドーナツでいいよね!」
頼む、ミウラ、早く来てくれ。
後続の誰もがそう願いながら、また彼を待つ事になる。
ああ、次の犠牲者は一体誰に...
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