軒並みの幽霊少女 6話
のみみん
軒並みの幽霊少女 6話
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#BGM #悲しい #一人声劇 #二人声劇 #声劇
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父「……なあ、私はどうすれば良い。たった一人の娘さえ、大切な娘さえ幸せにしてやれない…。今の私では、ダメなのか。お前なら、どうするんだ」
父「……なあ、答えてくれ…。私は…、どうしたらあの子を笑顔にしてやれる……。お前なら…どうするんだ…」
父はもう此処には居ない存在に、ただ話しかける。
だが、死人は何も語らない。
*****
ユキ「ぱぱ?」
父「……ごめんな、ユキ。お父さん、仕事でしばらく留守にしなくちゃいけない。だからその間、此処でおばあちゃんとおじいちゃんと暮らしなさい」
ユキ「……パパも…私を置いていくの?」
父「……ッ! ……ユキ」
父の痛いほどの抱擁が私を包み込む。
ユキ「…ねえ、帰ってくるよね? パパは私を一人にしないよね? パパは、ママみたいに死んじゃわないよね?」
父「……ああ、安心しろ、ユキ。父さんは、お前一人置いて死なないよ」
ユキ「……うん、分かった。約束ね」
父「……ああ」
そして、父は去った。
ーー3年後。私は、小学6年生になった。
叔母「……ユキちゃん?」
ユキ「あ、おばあちゃん! パパがね! パパが帰って来たの!! ほら!」
叔母「……え? 何言ってるの、ユキちゃん。パパは、今外国でお仕事なのよ」
ユキ「……? おばあちゃん、違うよ? パパ、此処にいるよ?」
叔母「ーー私には、何も見えないわ」
ユキ「………………………………え」
ユキ「……な、何言ってるの? おばあちゃん。冗談言わないでよ、やめてよ」
私の声は震えて居た。
ユキ「……え、どうして? パパじゃないの? パパだよね? そうだよね!?」
私は、父を揺らす。
ユキ「ねえ、ねえ、ねえッ!! パパでしょ、パパなんでしょ!! 何とか言ってよ! パパぁ! パパぁ!!」
その時、家の電話が鳴り響き、叔母が電話を取る。
ユキ「パパぁ!! パパぁ!!」
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