⚖️ 「現実はもういい」なんて云うなよ ⚖️
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第5幕『哀れだね』
「あの女、さっさと死ねばよかったのに……!」
また別の傍聴席では、一人の少年がミゼリィを睨みつけていた。彼の名前はエメル。顔に酷い火傷を負っており、それを隠すために常に包帯を巻いている。哀れまれることを何よりも嫌うエメルは、以前から自分の容姿を見る度『可哀想』と眉をひそめてきたミゼリィのことが許せなかった。ディルクが消えて、絶望し顔を覆った彼女を見て、ざまあみろと思った。けれど実際はどうか。ミゼリィは生き残った。人を哀れむことが趣味な癖に、結局は我欲のために人を殺した。
エメルは歯痒い心を抱えたまま、どうか残った最後の一人が、あの女を殺してくれますようにと願う。すると、その時だった。
「きゃー! 人殺しー!」
やけに甲高い、作り物めいた少女の声が法廷の注意を占領した。エメルも例に漏れず、声のした方へ視線を向ける。そこには、裁判官席から微動だにしないまま、笑顔で口を開くトワレの姿があった。トワレは目を細めたままミゼリィを指さし、なおも続けた。
「私は仲良くしましょうと言ったのに。人の罪を裁く場所でまた新たな罪が生まれてしまったわ」
トワレは抑揚のない声でミゼリィを責めたてる。と同時に、チラリとモニターの上を見やったのを、エメルは見逃さなかった。トワレの視線の先を追った彼は、モニターの上部に、壁と同系色の巨大な砂時計があることに気がついた。その砂は、あと少しで全て零れ落ちようとしている。
「もしかして、裁判のタイムリミットか……?」
エメルが呟いたと同時に、どこからともなく高らかに鐘の音が鳴り響いた。それを聞くやいなや、カミリアは嬉しそうに立ち上がるとパチパチと短い拍手を鳴らした。
「終わりのお時間がやって参りました! さあ続々と悪魔様の票が集まっておりますよ~! とはいえまあ、結果は分かりきっていますがね」
カミリアはトワレの方を向いてウインクをした。その途端、モニターいっぱいにトワレの顔写真が映し出される。
「法廷で殺人が起きるなど興ざめです! トワレさんの裁判官らしい毅然とした態度、私うっかり惚れてしまいそうでした~」
カミリアはトワレの手を取ると、優雅に傍聴席へとエスコートしていく。彼らの足が、唇を震わせているミゼリィの前を横切った時、彼女の身体は一瞬にして脆くくずおれた。
「第一の審判、これにて閉廷!」
カミリアの意気揚々とした声が辺りを包み、頭上からは悪魔たちの拍手が降り注いだのだった。
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❣️
使い古した自分の名前にあえてキッチュなルビを振って
高潔を打ち負かせるくらいに恐ろしくなる 骨の髄まで
💭
今はどんなふうに見えてますか? 醜いですか? それはそっか
どうか林檎を投げつけないで 胸に
❣️Lock up
💭 Lock up
⚖️ザムザ
❣️「鏡をご覧」誰かが囁く
💭うまくいったら儲けものさ
❣️甘い言葉も笑顔も通じない
💭走り出したらたらもう獣だ
⚖️
月の真下をうろつきながら考えてた 夜すがら
悪夢にどの指立ててやるべきかってね
❣️ズキズキズキ
💭『ズキズキズキ』
❣️ズキンズキンズキン
💭『ズキンズキン』
❣️ズキズキズキ
💭『ズキズキズキ』
❣️ズキ
💭ズキ
⚖️ズキン
変われ
⚖️
誰だって魂辛辛
ズキズキズキ
❣️痛みと怒れる人(ラングラー)を喰らったったらった
⚖️
だのに何故だろう今も
ズキズキズキって
💭派手な尻尾を引き摺りゆく
ザザザザ ザムザ
⚖️「現実はもういい」なんて云うなよザムザ
─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙──────
❣️ミゼリィ CV:猫小町たまこ
💭エメル CV:オムライス
Illust
猫小町たまこ
中条 瑠乃
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#コートルームで会いましょう #ザムザ #てにをは
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