Zwei. 02
こだぬき
Zwei. 02
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一時停止推奨…………
ツヴァイ :
「隊長の野郎、覚えてやがれ」
フィル :
「違うよ、"元" 隊長 だ」
ツヴァイ :
「古代人の錆び付いた祈りなんて知ったこっちゃねぇってーの!」
フィル :
「…隊長殿は今までの遠征で何人も部下を失ってきたのに、それを新入り風情が……はぁ」
ツヴァイ :
「さっきからうるせぇな。あんだけ殴って部隊追放で済んだんだぜ?」
フィル :
「そうだね、殴ってたのは君一人だ」
ツヴァイ :
「なら戻れば良いんじゃねぇの? お前はとばっちり食っただけだろ」
フィル :
「……ストップ」
【足音停止】
ツヴァイ :
「あ?」
フィル :
「探知が遅れた。この反応は…」
【草を掻き分ける音・鳴き声】
フィル :
「"古代兎" だ! 伏せろ!!」
ツヴァイ :
「おぁッ?!!」
【銃声・鳴き声・倒れる音】
ツヴァイ :
「…ぁ、ッぶねぇ……」
フィル :
「…馬鹿! 死にたいのか!?」
ツヴァイ :
「ふざけんな!止まれっつったのも、今撃ったのもテメェだ!!」
フィル :
「さっさと立て!この場の警戒レベルを4へ上昇させるよ!」
ツヴァイ :
「ッるせぇ! テメェこそ援護しろ、切り伏せるぞ!!」
【銃声・剣撃音・無音】
フィル :
「これで最後?」
ツヴァイ :
「さすがは "元" 治療班。どっかの誰かが掠めた傷が消えた」
フィル :
「いいから行こう、ナビゲーションシステムを開いた」
【足音開始】
ツヴァイ :
「なぁ、二人しか居ねぇし、あだ名つけようぜ? 呼びやすいやつ」
フィル :
「それも良いね。識別番号だと呼んでる最中に喰われかねない」
ツヴァイ :
「お前、たまに怖ぇ事言うよな…」
フィル :
「僕は適当に "フィル" でいい。…他につけられた名前は君に呼ばれたくないし」
ツヴァイ :
「他にって……さては好きな奴か?! んだよ、早く言えよ!」
フィル :
「…違う。そんなんじゃないんだ」
ツヴァイ :
「何だよ、古代兎と殺りあった時よかマジな顔しやがって…」
フィル :
「……古代と言えば、この土地には独特な数字のかぞえ方があったらしいね。確か…」
ツヴァイ :
「じゃ、俺は "ツヴァイ" にすっか」
フィル :
「なぜ? 識別番号は 13 だろ」
ツヴァイ :
「ん? ……分かんねぇ。なんとなく」
【足音フェードアウト】
○
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