〈第5話〉ゴシップは程々に【前編③】
台本:由季 BGM:『雨の路地裏』shimtone様 イラスト:MΔWΔTΔ様
〈第5話〉ゴシップは程々に【前編③】
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【Normal】〈第5話〉ゴシップは程々に【前編③】
アレンは莉乃をゆっくりと下ろし、立ち上がると車を確認し始める。それを見たシャルロットは安堵のため息をついた。
シャルロット「………間に合ったみたいね」
アリスティア「シャル、行っておいで。ボクは誰かさんが散らかした荷物を回収しておくから。」
シャルロット「…ありがとう!」
シャルロットは駆け出した
律「っ!莉乃!!」
律は荷物が散らばるのも気にせずに、莉乃に駆け寄る
莉乃「…りつ…私、いきてる……?」
律「莉乃…」
莉乃「…っこわかった」
律「莉乃……ごめん。守るって言ったのに…ごめんっ」
莉乃「りつ…………私…………全然駄目だね………いつも守られてばかり」
律は何も言うことができなかった
代わりに、大丈夫と莉乃を抱きしめる
莉乃「…強くなりたいなぁ」
次第に律の肩が濡れていく
双子は暫くそのままで居た
───
シャルロット「アレン!…怪我してない?」
アレン「平気だ。…それよりもこっちの方がヤバい」
アレンが顎で差したのは、車の運転手だった
運転手「…行かないと、早く行かないと」
シャルロット「……?」
アレン「さっきからずっとこの調子なんだ」
シャルロット「…どこに行きたいんですか?」
運転手「恋人の…ミーナの元に」
シャルロット「…どうして、こんなことを?」
運転手「若い、心臓が欲しかったんだ」
シャルロット「…心臓、ですって?」
アレン「…わざとやったっていうのかよ。…おい、それどういう意味だ」
運転手「若ければ誰でもいい!心臓を…」
話が通じないと分かって、2人はお手上げ状態だったが、次のひとことによってそれは急展開する
アリスティア「(被せるように)なるほど、例の墓荒らしは君だったのか」
そこには、アレンが放り出した荷物を抱えたアリスティアが立っていた
シャルロット「…墓荒らし?」
アリスティア「知らないかい?貧しい家庭の葬儀代を肩代わりして、墓を建てた人格者が、その墓を掘り起こし、遺体を持ち去った、と。まだ、こんなところに隠れていたんだね。」
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