【一人声劇】天
語り/あなた
【一人声劇】天
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触れてしまえば良かったのか、
それが叶わないと知って尚。
【天】
⚠以下転載、キャプションのコピペはご遠慮願います。
⚠ピアノの音色をお借りしているみわたか様のサウンドに【必ず】拍手・コメントをお願い致します。
※性別どちらでも可。
※今作品は各所重ねる、または畳みかけるようにして読んでいただけると尺に収まると思います。
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「君がいなくなったベランダの手摺を、
ずっと、ゆびのはらでなぞっていた」
桜の花弁をつかまえる時、新雪にふれる時、躊躇いを覚えるのはどうしてか。
あの子を見つけた途端、その答えのうちのひとつを、なんとなく知ったような気がする。
「は、ねが──きみは、天使なのかい」
なるほど人の肩甲骨というものは、かつて空を飛ぶためにあったのだ、と。
(00:45~)
「いくよ、る、ら、ら」
「ひとつ、天使は賛美歌を好むこと」
「……んん? っはは、それはきみだよ」
「ひとつ、天使は人の言葉を解すること」
「靴は、似合わないね」
「これもぶかぶか? また間違えた」
「ひとつ、天使は華奢であること」
「はね、が、……」
「ふれ、たら。…………、……」
「ひとつ、天使は」
──二日前、あの子は音もなく羽ばたいた。飛ぶことなぞ教えやしないのに。
額に触れた熱と、あるひとつの言葉だけが、いつまでも記憶に降り注いでいる。
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願い事
みわたか様より素敵なピアノの音色をお借り致しました。
*
さいごに─────なんて、
#声劇台本 #一人声劇台本 #夜の台本
Comment
2commnets
- 日隈読ませていただきました。素敵な台本をありがとうございました!
- Sお借りしましたm(*_ _)m