かぐや
n-buna
かぐや
- 18
- 6
- 0
壮年期:🌕かぐや─Vo.いろは
https://nana-music.com/users/4491955
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
🌕Lyric
冷たい窓の外 月に春が来た
夢から覚めてしまうような気がした
大人になったら 僕はどこへ行こう
月の裏側や本にも 無いような場所とか
空から落ちてしまうよ
このまま このままいられたら
僕は何になろう
月の上を歩き疲れたら
今日はどんな顔をしよう
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
🌕Story
「そうかぁ。子どもたちも本とお話できたんだね」
「毎日こそこそ楽しそうにしてるよ。母親としては、ちょっと寂しいけど」
「ふふ、あの子たちは君みたいに賢いし、親離れも早いかもね」
ゆっくりとコップを傾けながら、旭くんはシワの増えた目尻を細めて笑う。のんびりとした性格は相変わらずだが、最近はそこにどっしりとした頼もしさを感じられるようになってきた。夜子はちらりと彼の横顔を眺め、そしてそのままベランダの向こうに視線を転じた。開け放たれた窓からは、立派な満月が顔を覗かせている。
「あの子たちが成人して、この家に二人だけになったらさ、海外旅行にでも行ってみたいよね」
「気が早くない? 早くても十年は先の話だよ?」
「良いじゃない。いつの話をしたって。きっと、思っているよりあっという間だよ」
年を重ねる度、時間の流れが早くなっていく気がする。それはきっと気の所為などではなく。
大切なものが増えていくから、全てを大事にしようとすれば、時間が足りないのは当然なのだ。
「出来る限り大切にしたいなぁ。子どもたちとの時間、旭くんとの時間、舞雪ちゃんとの時間、もちろん1人の時間も」
そっと零して、夜子は椅子にもたれて目を閉じた。
〖壮年期〗完
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
🌕Tag
#Happy_LIFE_22 #かぐや #ナブナ
Comment
No Comments Yet.