#コムロウイの花火_nana
🐾ロンド(おめが)
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旅の妖精の話を聞き明かした日の夜の出来事。一人水の扉(ゲート)のほとりに佇んでいた彼は、ひとつ決意しました。
今まではこうして様々な話をすることが仲間たちを楽しませることに繋がると思っていたが、それではきっと足りないということ。
創造樹と禁忌の森。妖精の住まうこの地に暮らす彼らは、自らのように他の世界に行くことはできない。そういう特性を持ち合わせていない。そういう風には『できていない』のだ。
ならばそれが特例として赦されている自分に出来ることは何なのか。仲間のためにやれることは。
旅の妖精の加護は二つ。文字通り旅人へ付与する加護と、『これから予見さえできぬ未知を歩む者』に対する加護。
仲間を想うならば、多少の荒事をしても良いだろうと、旅の妖精は思っていた。それさえ『赦される』だろうと。
「…………まあ、まずは、皆で出来ることを始めるところからか」
夜闇の中、旅の妖精は思い描く。少しばかりの時間はかかるだろうとは分かっていた。ただ、自らはそれを成し得るだろうとも。
まずは──悪く言えば生贄が必要だ、ということも。
To Be Continued.
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