Stella
Fling Posse
Stella
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Color-less #今鍋公式
Stella〈結〉
星の箱舟は進む。孤独な友を乗せるべく立ち止まりはすれど、確かにどこかへと向かっていく。
「何故なんだ、私達は初対面だろう」
科学者もまた、列車に揺られていた。
「あの星はどうだった」
剣の王は三度目の問いを投げ掛ける。
「あなたの心そのもののようでした。悲しみも苦しみも、奥深くに閉じ込めて、自分をどこへも行けなくしている」
「燻り冷え固まったそれに火をくべて、この旅路の星篝にすると余は決めた」
「貴方達ごと焼いてしまうかも分かりません」
「列車が尾長の流星になって良いではないか」
剣の王の優しい傲慢が、星篝に確かな熱を灯した。
「お前、早く帰れだの研究がどうだのと言う割に、ずっと俺達のそばにいたじゃないか。濁ったガラス玉が誰かに拾って貰ったみたいな色して」
「なんだそれは……」
「旅をしてりゃ、いつか分かるさ」
珪素の盗賊の不器用な優しさで、星篝に火花が散った。
「どう転んでも、この宙の旅路を真っ直ぐに進むしかないのです。ならばその先にあるかもしれない一縷の望みに賭けてみませんか」
星の隙間を縫って進む列車には、民草を全て戦火に焼いた剣の王と乾いた心を満たすために奪い尽くして空っぽになった珪素の盗賊、それから愛に縛られてどこへも行けなくなった心を凍らせて閉じ込めた科学者が、同じ車両で揺られている。行き先は誰も知らない。けれど、辿り着いた場所で、来た道を振り返って笑い合える頃には美しい箒星として孤独な誰かの心に火を灯すかもしれない。
終点はまだ訪れない。
来なくてもいい。今来てもいい。
ほんとうのさいわいとは、きっと、心が満たされていることなのだろうから。
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🌫星の合間からノイズ
🌳夜空を攫い
📚空蝉のコラージュみたいな starlight
🧞♀️「何故私に構うんだ。」
🌧「似ている気がしたんだ。」
🌳「同じ穴のムジナってか。」
⛲️「さてな。」
🍒「くだらない。」
🌫「願いに囚われている。」
🍒「何故わかる?」
⛲️「目でわかるさ。何かを失って
ガラス玉のようだ。」
🌳「叶うならいつか故郷が見たいな。」
🌫「なら決まりだ。」
🍒「あるのかもわからない。」
⛲️「此処にいても変わらない。」
⛲️🍒「では虚ろなこの船が何処へ着(ゆ)くのか
🌫🌳 賭けてみないか。」
🌫宇宙は塞がり
🌳閉じ籠った暗がり
星が落とす薄明かり
🌫照らし出す 🌳不思議な 🌳🌫繋がり
🌳再びを願う 🌫心だけが 🌳🌫じっと伝わり
🌫熱をくべる篝
🌳🌫羽化していく蛹
🌳🌫爪先は前に向けておく
🌳立ち止まった次の一歩目でも間違えないように
🌳🌫爪先は前に向けておく
🌫ただ一途な目でいつか過ちすら愛でよう
🌳🌫爪先はできる限り遠く踏み込む
🌳振り返る時自分の影が追い付けないように
🌳🌫爪先は前に向けておく
🌫暁の果てに問う
📚これは躓きを糧に飛ぶ story
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歌&筆者:🌳:黑生 檀、🌫:泉 白霧
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