プロトディスコ
ぬゆり feat. flower
プロトディスコ
- 48
- 9
- 0
#星詠みの詩
ずっと、ずっと、あこがれていた。賢くて、いつだって冷静な判断ができる、それゆえにみんなから慕われて。
そんなところが、大好きだった。
それなのに。
アイと名付けられた透明な心は、少しずつ黒く染まってゆく。
『私があんたの事を嫌ってるってわかってるなら、私に優しくしないでよ』
私がどんなにあなたを見ていても、あなたの目には赤い星しか映っていない。
『どうして、そんなことを言うんだい』
私があなたのことをアイしていることも、アンタレスに嫉妬していることも、全部全部、わかってるくせに。
そんなところが大嫌いだ。
鈍く光るナイフを、彼の左胸に深く突き刺す。
スコーピオンは驚いたような表情を浮かべた後、苦しそうに笑った。
『サジタリアス、』
『あいしてる』
ちいさく、残酷な呪いをかけながら。
Comment
No Comments Yet.