不器用な男
🏫pair/カンザキイオリ
不器用な男
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教えを共にする者/乞う者
🏫
🔭伊桜 紫麗(いざくら しおり)
🥽御子柴 右京 (みこしば うきょう)
🔭死にたくないから物語を書いていた
時代じゃないのにペンを使った
気取っていたんだ
気が遠くなるほど物語を気取った
🏫大人になるのが本当楽しかった
🔭死にたくないから物語を書いていた
🏫君ならどんな結末を望むだろうか
🔭こんな展開は君なら笑うだろうか
泣くんだろうか
怒るだろうか
🥽架空の君を書いていた
掴めない感触は綺麗で
🏫それ全部フィクションなんだ
🥽それでも書いた
終われなかった
🏫こんなんで終わるかよ
🔭書ききったって言えるかよ
🥽春も夏も秋も冬も書いた
🏫死にたくないから
🥽ゴミみたいな部屋で
🏫今日も生み出していた
🥽そうさ俺は🏫不器用な男
🔭死にたくないよ 🥽死にたくないよ 🔭死にたくないよ
🥽死にたくないよ 🏫死にたくないよ
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🏫SS
初めは知人の付き添いだった。
高校を出たら、近所のコンビニあたりで正社員になって何となしに働いて…なんて。
そう思いながら受けた、オープンキャンパスのお試し講義。
教授の講義を受けたその日から、俺が見てた世界は変わった気がしたんだ。
一方的にだが、初めて会った伊桜教授。
若くして『教授』に上り詰めた人。
俺は、最初伊桜教授が言っていたことは全然分からなかった。
だって俺は馬鹿だったから。
高校の時なんて、下から数える方が早かった…。
でも、そんな伊桜教授に俺は惹かれた。
オープンキャンパスから帰ったら、すぐに伊桜教授が書いた論文から書籍、全て読み漁った。
よく初対面に話すと、恋してるんじゃない?とか現抜かす人がいるが、断じて俺は違う。
俺は、桜貝のような唇から紡がれる言葉に惹かれた。
それ以上でもそれ以下でもない…そう思っている。
まあ!そんな俺は、今となっては同期からは『天才』と謳われるようになる。
そう、ふと思い出した。
伊桜教授の助手として、教授室のドアを軽くノックした昼下がり。
「伊桜教授〜!御子柴右京でーす…ってのは、冗談です。
ちゃんと入室しますよ」
中にいる人物が、いつものように笑っているんだろうな…と思いながらドアノブに力をいれる。
でも、ふと思うんだ。
血のにじむような努力をして手に入れた、ポジション。
でも、それでも俺は相応しくない…いや言葉が違う。
まだ足りないと思う。
まだ…あの、天才・伊桜紫麗の隣にずっといるには、賢く…そうだ。
だから、俺はまだ……。
こんな俺を他人がみたら、不器用だと揶揄するだろう。
そんな俺を見ても、伊桜教授は俺を必要としてくれるのだろうか。
END
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