満月の夕(ウチナーグチ・バージョン)
平安隆
満月の夕(ウチナーグチ・バージョン)
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平安隆のアルバム『かりゆしの月』より。
なぜに『沖縄に恋した宮沢和史祭りセルフアンコール』に入れたかというと、白百合クラブのステージでTHE BOOMと平安氏が共演した際に平安氏が本楽曲を歌ったことがあったから。宮沢氏が本楽曲を歌ったわけではないけれど、宮沢氏と平安氏の関係性のおまけみたいなセットリストで。
あと、私の『墓標』の歌旅で首里城を頻繁に訪問していた際に、首里城火災からの復興を体感する中で本楽曲が頭をよぎることが多かったから。なもんで、個人的なこだわりで、「もし宮沢氏が本楽曲を歌ったら…??」という想定で表現してみた。
ちなみに、宮沢氏のメンバーシップイベント『ヤクシクドゥクル』にて本楽曲をリクエストしたけれど、残念ながら採用されなかった~。実現してたら想定表現じゃなかったけれど~。『てぃんさぐぬ花』と『十六夜月に照らされて』はリクエストを叶えてもらったからもう十分だけどね。
当初は歌旅企画の予定だったけれど、現アプリでのnanaの動画アップ不具合が改善されないのがほぼ確定したので、あとでじっくりやる。
≪本楽曲について≫🎶
喜納昌吉&チャンプルーズのメンバーであった平安氏が、ソウル・フラワーユニオンの中山敬とTHE BOOMの宮沢氏と出逢ったのは喜納昌吉&チャンプルーズのライブイベントのニライカナイ祭りだろうと思う。
平安氏はウチナーからヤマト、ウチナーから世界を音楽で繋ごうとした音楽家であり、今日の沖縄音楽の発展の一つは彼の功績であると言える。まぁかつては知名定男氏と同じく沖縄民謡界からは批判されたみたいだけど。
阪神淡路大震災後にソウル・フラワーユニオンと共に被災地で出前ライブを行った平安氏は、沖縄出身者の多い長田の焼け跡に太平洋戦争時の沖縄地上戦の風景をダブらせたという。
そして平安氏は本楽曲をカバーするにあたって、かつて太平洋戦争後の復興で自身の先輩方の唄者が音楽で勇気を与えたいという想いで、震災で被災した阪神に長く住む沖縄人に沖縄の言葉を届けたいとウチナーグチにしたとのこと。
阪神淡路大震災を歌ったオリジナルとはまた違い、沖縄戦からの復興と平和への願いを歌った本楽曲はTHE BOOMの『島唄』と共に外来の新しい沖縄民謡として定着しており、これからも歌い継がれるであろう。
平安氏が書いた『満月の夕(ウチナーグチ・バージョン)』の歌詞がネットで検索しても検出されないので、訳詞含めてこの機会に記しておこう。(大丈夫だよね…??)
『満月の夕(ウチナーグチ・バージョン)』
https://youtu.be/2indFmJsSfA
【歌詞】
風(カジ)が吹く港(ンナトゥ)ぬはたから
焼き跡(アトゥ)を包(チチ)むる海ぬ風 (カジ)
肝(チム)がなしく想(ウム)い笑とてぃ
冬ぬ風 (カジ)ぬ夜(ユル)に
あぬ海ぬ底(スク)ぬ島から
幾千里ぬ魂(マブイ)ぬ前(メー)に立ち
命(ヌチ)ぬ唄 唄いながら
手(ティ)あわち天拜(ティンウガ)む
物知(ムヌシ)らぬ童(ワラビ)や 石なーぐ
月明(チチアカ)りぬ下(シチャ)ぬすくい神
あとぅぬ事(クトゥ) 想(ウム)い笑とてぃ
うり見(ミ)ちょーてぃ肝(チム)やしむ
ヤサホーヤ 唄ぬ流りてぃ
肝(チム)合わち朝までぃ毛遊(モーアシ)び
ヤサホーヤ 三線鳴らち
朝までぃ唄い踊(ウドゥ)い
月明(チチアカ)りぬ下(シチャ)ぬ になし唄 満月の夕
星降(フシフ)い満月を笑んてぃ
旅立ちゃる魂(マブイ)ぬ海ぬ底(スク)
物知(ムヌシ)らぬ童(ワラビ)や 石なーぐ
うり見(ミ)ちょーてぃ肝(チム)やしむ
ヤサホーヤ 唄ぬ流りてぃ
肝(キム)合わち朝までぃ毛遊(モーアシ)び
ヤサホーヤ 三線鳴らち
朝までぃ唄い踊(ウドゥ)い
月明(チチアカ)りぬ下(シチャ)ぬ になし唄 満月の夕
【訳詞】
風が吹く港の方から 焼けあとを包む海の風
せつなくて想い笑う 冬の風の夜に
あの海の底の島から 幾千里を超える魂の前に立ち
命の唄を唄う 手を合わせ天を仰ぐ
石なーぐをする無邪気な子どもらは
月明りの下の救い神
今後(あと)のことを想い笑う
子どもらの姿に心やすらぐ
ヤサホーヤ 唄が流れて
心通わせ朝まで毛遊び
ヤサホーヤ 三線鳴らし
朝まで唄い踊り
月明りの下の 癒しの唄 満月の夕
星が降る満月が笑う 旅立った魂は海の底
無邪気な子どもらは石なーぐ
その姿に心やすらぐ
ヤサホーヤ 唄が流れて
心通わせ朝まで毛遊び
ヤサホーヤ 三線鳴らし
朝まで唄い踊り
月明りの下の 癒しの唄 満月の夕
平安氏の書いた歌詞の意味が分かると、映画『豚の報い』のエンディングに流れた時の感慨と意味深さがより感じられるかなぁ。余談として、あの映画は意味がわからないつまらないという評価もあるけれど、私としては沖縄で生きることの暮らし湿度の高さと「ここで始まりここで完結する世界」のカラっとした諸行無常観がとてもよく伝わる良作だなぁと思う。
≪音作りと歌入れについて≫🥁🎤
本楽曲のサビの盛り上がりが欲しくて、自分が出来る範囲のパットドラムで足してみた。リズムがつってたりしてるのがだんだんわかってきたけどもう勢いでやりきる。歌を乗せたらそれらしくなったからまぁ良いか~。
ボーカルは“私の中の宮沢節”をなんとかひねり出して歌った。特にこだわったのは「前(メー)に立ち」のメーかな。Aメロ後半からの音数が増えるとこからマイク距離をちょっと詰めるのが工夫ポイント。
コーラスのヒヤササは、原曲のような女声を私が表現するのはさすがに気持ち悪いから、後述するよなは徹氏のライブバージョンを参考にした。構成パターンは前々回の『ひゃくまんつぶの涙 2002』と同じ。
素敵な伴奏にて歌わせて頂いたよしずみさん、モッサさん、てんてけさん、くろすけさん、ハイサイさん、えみるさん、ありがとうございました。
えみるさんまで完成され伴奏を聴いた時に「これは平安隆バージョンに近いんじゃ❓❓」と感じて、そこから自身の表現イメージを膨らませました。よしずみさんのギターに沢山の熱い音が重なって大きな魂になっていくのがnanaの醍醐味だなぁと改めて実感しました。
≪最後に≫⭐
今回のヒヤササコーラスの参考にした実力派唄者のよなは徹さんのライブバージョン。
https://youtu.be/UJ3VEJ9ahJI
自身のカバーだと歌詞は中山バージョンだけど、このライブだと途中からウチナーグチバージョンなる演出が熱い❗
で、つい先日に、沖縄県三線製事業組合で三線のお試しレッスンを受けていた時に、なんとよなは徹さんが来店されて。そしたら組踊音楽歌三線の玉城和樹さんも来店されて。かなり貴重な機会ということで記念撮影とかミーハーなことをさせてもらったわ。テヘヘ。
よなは徹さんも玉城和樹さんも、野球選手かってくらいガタイ良くて迫力というかオーラがあったなぁ。
※トップ画像は、私とよなは徹さんと玉城和樹さん。
#満月の夕 #ソウルフラワーユニオン #中川敬 #山口洋 #平安隆 #よなは徹 #豚の報い #沖縄に恋した宮沢和史祭りセルフアンコール
Comment
9commnets
- kanako
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- もっさコラボありがとうございます! 昨日の石川の地震のニュースの事もあるので、余計に染みますねー(〃´ω`〃) 阪神大震災後の避難所で演奏されている映像が残っていますが、その雰囲気にも似ているなぁと思いました🌕
- kanako
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- くろすけ個人的な状況も相まってジンと来ました。コラボありがとうございます🙇♂️💦
- ニヤ☆ゆっくり聴きnanaさせて下さい〜💦☆
- kanako伴奏サウンドも歌もすんばらしいね!!!!! 私全く参加していないんだけど、素晴らしすぎてリポストしたい衝動にー!!! していいかな?