55その1
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55その1
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⭐言われたことについて、少し考えた。確かにその通りだ。何故、他の人のことを思うのだろう。擁護(ゆうご)しようとするのだろう。目を閉じ、浮かんできた僕の答えを、言葉にした。
⭐「……それはね、遥くん。きっと、その人の気持ちを受け止めて……助けるためだ」
⭐僕は、自分の胸に手を当てる。少し、感傷的な気持ちが残っている気がした。この気持ちを薄くするには、誰かに相談するのが一番良いんだ。でも、僕には……いたのだろうか。
⭐思い出そうとしても、霧に包まれているようにモヤがかかり、思い出せない。唇を噛みしめ、少し俯いた。
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