#勿怪面妖奇譚
话中有话05/頓珍漢の宴
妖世界。
それは妖達が跋扈する、裏の世界。本来人間が干渉することは出来ないが、妖力のある物を持っていると介入することが可能になる。
──決して、人間が来てはならない世界。
「それで、いくら出してくれるんです?」
店員が置いていった水を脇に退け、白髪の男は指を組む。
「いくら欲しい?」
ぶわりと煙草の煙を吐きながら、黒髪の男が笑みを浮かべた。
ここは料理店。黒髪の男、御影が経営する妖世界屈指の高級料理店だ。
「化面屋。お前は金の亡者だが確かに有能だ。希望額そっくりそのままとはいかねェが、ある程度なら叶えてやってもいい」
「ハハ、御影様は太っ腹でいらっしゃる。……ああ、すみません。熱燗一つ追加で」
「で、これが今回の食材か。どれも新鮮な子供達だ」
紙には先程の朝緋達三人の名と面、紋様が事細やかに記載されている。御影はひとしきり目を走らせた後、乱雑に灰皿に突っ込んだ。
「今はこの世界を楽しんでおられるでしょう。それはもう、存分に」
「今宵限りとは知らずにな。人間ってのはどいつも呑気な馬鹿ばかりだ」
「そのおかげで商売成り立っておられるでしょうに。
まあ、私もその恩に預かる身ですからね。こういうのは楽で宜しい」
置物のように動かなかった鳥が、一声「ガア」と鳴く。奇妙で悪趣味な化け物だ、と化面屋は思う。
つくづくこの男達は馬が合わないのだ。他でもない、利害関係の一致を除いては。
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ㅤ ㅤ Voice actor
化面屋🎭🦐
御影🚬あじのもと
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