![](https://storage.nana-music.com/posts_movie_thumbnail/10055454/437b219e-e457-436e-bb9a-8eed74c31b25-fhd.png)
弦
koyori
弦
- 104
- 12
- 0
#勿怪面妖奇譚
话中有话04/弦
「箔。それは面名と買い手の名前を組み合わせた、ただ一つの印。
さて、御三方の面に彫りましたその紋様は、その面が皆々様の所有物という他でもない証拠となります。これより先は我が手を離れ、貴方がたを完全に妖とする」
「さあ、化けなされ。面を信じて、存分に妖を楽しむと宜しい」
三人は顔を見合せ面を被った。するとどうだろう。あっという間に美しい髪と着物で、人間らしさが息を潜めたではないか。面影など感じさせない、妖としての身なり。朝緋は一等喜び、麻昼と朔夜は声を漏らした。
化面屋は笑う。そして壁を指差して、彼女らに告げた。
「それでは、私はこれにて失礼仕ります。皆々様はあちらの道から妖世界にお越しください」
壁を触ろうとした麻昼の手が壁をすり抜ける。
「わ、本当だ! さっきまで壁だったのに……」
「俺達、本当に妖になったのか」
人間ではないその感覚が、三人を更に舞い踊らせた。
「ありがとう、化面屋さん!」
「くれぐれもどうぞ、お気を付けて」
どうぞ、お気を付けて。壁の向こうへ消えた三人を見送った化面屋は、先程とは違う笑みを浮かべ再びそう呟いた。
風が吹く。のぼり旗がバタバタと音を鳴らす。
「行きはよいよい、帰りはこわい。帰る道などありはせぬ。
……私も、戻らねば」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ㅤ ㅤ Voice actor
化面屋🎭🦐
Comment
No Comments Yet.