主催ライブ編 エピローグ
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主催ライブ編 エピローグ
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Twinkler+Twins主催ライブ、"羽ばたきのトゥインクルライブ"は大盛況ののちに閉幕した。
Twinkler+Twinsははじめの曲の時とは違う衣装を着て、さらなる輝きをその身に纏って新曲を歌い上げた。
その曲は、彼女たちの苦労の日々と、未来への希望を強く感じさせた。
観客の多くは涙し、眩しい輝きを見せたTwinkler+Twinsに盛大な拍手と歓声を贈った。
ステージ袖からその姿を見ていたマネージャーのミアは、綺麗な涙を流していたという。
*
大成功をおさめた主催ライブから数日後。
いくつもの取材や新たなる仕事を乗り越えたメンバーたちは、ライブの疲れを癒すためにと丸1日オフの日をもらっていた。
しかし、全員どこかに遊びに行くという気力は残っておらず…、親の許可が得られたモモとリリの実家に集まっていた。
各々まるで旅館にいるかのようにのんびりと過ごすなか、熱心にスマホをいじっていたリリが顔を綻ばせた。
🐕「まばゆい閃光を放ち続ける煌めきのアイドル…だって」
🍰「え?…あ、ネットの記事…?最近わたしたち、輝きって言葉を使って紹介されがち…だよね」
💍「そうだねぇ。もともとグループ名にも入ってはいるんだけど、この写真を見たらそう言うのも納得できるでしょ」
レイナが記事に添付されているライブの写真を指で指し示す。
その写真は溢れんばかりの輝きに満ちていて___リカは納得せざるをえなかった。
🍰「それもそうだね」
🐈「おーい、ママがクッキー焼いてくれたんだけど、一緒に飲むの何がいいー?」
🍮「お母さまが用意してくださるみたいだよ」
ちょうどそんな話をしていたところに、部屋を出ていたモモとミユが合流する。
💍「やったぁ♪紅茶もらってもいい?」
🐈「いいけど、うちいろんな種類あるから自分で見てもらったほうがいいかも!」
💍「おっけー。あと誰か紅茶飲む人いる?…お姉ちゃんもいいの?」
レイナが毛布の塊に向かって声をかけると、もぞもぞと毛布が動いて、なかからミレイが顔を出した。
🛍「私は…レイナと同じのでいいわ…」
一言だけそう呟くと、またもぞもぞと毛布のなかに戻って行った。
ミレイにしてはかなり珍しい様子で、メンバーたちは少し心配そうに彼女を見ていた。
なんでもステージ裏での会話をスタッフに聞かれていたらしく、ミレイだけ熱の入った取材が多く来てしまっていたそうで。
彼女の疲労度は他のメンバーとは段違いだった。
💍「りょーかい。モモ、案内お願いしていい?」
🐈「もちろん。みんなも決まった?」
モモは皆からの飲み物の要望を聞くと、レイナと共に階下に向かった。
🍮「ミレイちゃんはずっとああなの?」
🐕「うん…相当疲れちゃったみたい」
🍰「クッキー食べたら元気になるかな…」
こそこそと話していると、わりと早くモモとレイナが戻ってきて、メンバー全員が部屋に集合した。
🐈「ミレイちゃん、クッキーと紅茶持ってきたよ」
🛍「ん…ありがと…」
ミレイはもぞもぞと毛布の山から身体を出すと、困ったように微笑んだ。
🛍「こんな姿見せちゃってごめんなさいね」
🐕「え、そんなこと気にしなくてもいいけど…体調とかは大丈夫?」
🛍「えっ、あ、ええ。随分良くなってきたわ。…というより…皆、私のいまみたいな姿見てもあんまり驚かないのね…?」
ミレイは心底不思議そうに首を傾げたが、リリたちは眉を顰めた。
🐈「え、べつに驚くことなくない?心配はするけど」
🍰「うん…。むしろ、ちょっと安心したかも」
🍮「確かに。ミレイちゃんいっつも完璧リーダーって感じだから、ちゃんとこういう一面もあるんだなって知ることができてよかった」
🐕「うんうん!もしいままで隠してたなら…、私たちの前でもそういう姿を見せてくれて嬉しいって思うな」
少しずつ、少しずつミレイの瞳が見開かれていく。
レイナはそんなミレイの様子をちらりと見ると、わざとらしく大きなため息をついた。
💍「ほらぁ、言ったでしょ?お姉ちゃんのその姿を見ても、みんな大丈夫だって」
🛍「…ええ、レイナの言う通りだったわね。ありがとう、皆」
ミレイが心の底からの笑顔でお礼を言うと、皆嬉しそうに笑った。
🐈「さっ!冷めないうちに早く食べよ!」
🍰「そうだね…!」
🛍「…ええ!」
ミレイは密かに深呼吸をすると、とびきり明るい笑顔を見せたのであった。
Twinkler+Twins《主催ライブ編》完
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