砂糖玉の月
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砂糖玉の月
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▶▶小さなお別れの連続
ジャンヌたちと分かれたあと、何かを考え込むように静かになってしまったリュヌと共にカタリナはパーティ会場をうろうろしていた。
「リュヌ、ケーキでも食べる?」
「……うん」
「ほら、色んな種類が……」
と、テーブルに近付いた所でリュヌに気を取られていたのか、テーブル近くで他の魔女と軽くぶつかってしまった。とっさにカタリナは謝罪を口にする。
「あっ、ごめん。よそ見していて……」
「いいえ、わたくしもお喋りに夢中だったわ」
「あ、貴女はジャンヌの……」
さっきまで話をしていたジャンヌが友人だと言っていた女性だ。優しそうなふんわりとした雰囲気の魔女で凛とした雰囲気のジャンヌとは全然タイプが違うように見える。
「まぁ!ジャンヌのお友達?わたくしはアリソンといいます」
「お友達っていうか……さっき少し話しただけだけど……でも初めまして。アタシはカタリナでこの子はリュヌだよ」
そう言ってリュヌを示すと、今度はアリソンと話をしていた魔女たちが声をあげた。
「あれ?リュヌじゃないかい?」
「本当ですね。先程ぶりです」
「……アテナとネージュだぁ!モルタとニコラもいるねぇ。モルタ、お姉さんに会えた?」
「はいっ!会えました!」
どうやらリュヌの知り合いだったらしい。『お友達』が大好きなリュヌは沈んでいた顔をぱっと輝かせて喜んでいる。
だが、ネージュと呼ばれた魔女の方はリュヌを見て少し首を傾げて問いかけてきた。
「何だか元気がないですね?」
「え、そうかなぁ……さっきまで難しいお話を聞いてたからかなぁ……?」
「えっ!?げ、元気がないんですか……?」
心配そうなモルタにリュヌは大丈夫だと答えているが、やはり初めて会った時の異常なほどの朗らかさ─今思えばあれはこの子なりに心を守る方法だったのかもしれない─は少し鳴りを潜めている。ここでの出来事は他の魔女たちの話がこの子の心の蓋を少しづつ開けてしまっているのかもしれない。
「元気がないならいい考えがある」
そこにニコラが突然口を開いた。
「演奏をしよう。音楽は心を軽くする」
「えっ!?」
カタリナは突然の提案に驚くが、そこに同意の声が重なった。ネージュだ。
「良いと思います。私も音楽は心を明るくしてくれる素晴らしいものだと思いますから」
「ネージュも演奏できるのぉ?」
「はい。前に私には人間の師匠がいたと話しましたよね?その人に教わりました」
「まぁ人間の師匠に?すごいわ!」
話を聞いていたアリソンが楽しげな声をあげ、アテナやモルタも期待に目を輝かせている。
「リュヌはさっき皆が集まったら演奏していいと言った。もう演奏しても良いかな?」
「うん、ニコラと約束したもんねぇ」
リュヌが頷くとニコラは美しく微笑みどこからともなくヴァイオリンを取り出した。それに合わせてネージュも銀色に光る笛を取り出す。
そして、一瞬の静寂のあと高らかに清涼なメロディが流れ出した。
「わぁ……きれい!」
リュヌが歓声をあげる。
これがたった一夜の幻でも。この音楽がこの子の心を明るくしてくれたらとカタリナは願わずにはいられなかった。
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「砂糖玉の月」
❄️ネージュ(cv.瑠莉)
👀モルタ・パルカエ(cv.冬猫)
🔨アテナ・ウィンストン(cv.ソノラ)
🧭カタリナ・マゼラン(cv.小日向 奏乃)
💍アリソン・フローレス(cv.香流紫月)
🎻ニコラ・テンポルバート(cv.日向ひなの)
⏳リュヌ・ブランシュ(cv.はいねこ)
❄小さなお別れの連続
👀いずれはあなたへ続いてる
🔨分かっているから
🧭出来るだけ歩みを緩めるけど
💍あなたは寂しそうに待ってる
All:届かないから 美しい
まるで砂糖玉の月
遠くで転ばせば 甘やかに
近づけばザラリとした土塊
🎻それならずっとここから
⏳見ていたい
🎻⏳見ていたいのに
☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽
☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
あき火-akihi-様
https://nana-music.com/sounds/031079de
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#キノの旅 #やなぎなぎ
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