始まりの合図
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始まりの合図
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▶▶ようこそ 壊れかけの世界へ
「はぁ……今年は前回に増して奇妙なことになっているんですね」
「そうなんだぁ」
リュヌの呑気な相槌にため息つきつつ、フォレスはシャンデリアのフレームに口をつけていたティーカップを置いた。
現在、フォレスたちはシャンデリアをテーブル代わりにして座っている。なぜならこの部屋は上下が反対になっていて、天井の方にテーブルが……いや、元々は床なのだが(紛らわしい)……くっついているのだ。仕方なくまるで絵画のように停止しているさかさまのシャンデリアをテーブル代わりにしている。
「こういう部屋を無くすには魔女同士で『縁』をつくらないといけないらしくてさ」
「つまり……魔女同士で交流しないと私はハダリーのところには戻れない?」
「そういうことになるわね。一時的に縁を作ることでこの空間を安定させたいの」
「そう…………」
ゼロはアテナとノーナの説明をすぐに理解したらしい。あまり乗り気ではないようだがハダリーという人物の元に帰るため、仕方なさそうにため息をつく。
フォレスも不本意だが頷く。他人と交流をはかるのは面倒だが、欲を集めるのが難しい魔女ばかりの空間に閉じ込められたら困る。
「……あの」
そこで、ずっと口を閉ざしていた魔女が突然喋り始めた。確かニコラと名乗っていた魔女。先程までの説明にも、怜悧な印象の金色の瞳に動揺の色ひとつ浮かべずに耳を傾けていたはずだが一体何を言い出すのだろう?フォレスは少し身構えた。
「君がこのパーティーの主催者?」
「そうだよぉ!」
「音楽はいつごろ必要になるのかな」
突然の質問に全員がぽかんとした顔になる。
「音楽ってぇ……?」
「……僕は音楽家で、それで、ここはパーティーの会場だから」
「えーっと、つまりどういうことだい?」
「……この人、自分は音楽を演奏するために呼ばれたと思っているんじゃない?」
ニコラはゼロの言葉にこくりと頷いた。
「先程の説明で、ここでは魔女同士で仲良くしなくてはならないことは分かった。でも聞いているうちに、もしかしてボクは演奏するためにここに呼ばれたんじゃないのかなって思ったからいま聞いてみたんだ」
「「「「「…………」」」」」
全員が顔を見合わせる。そうだよ、とは何となく軽々しく言える空気ではなかった。
リュヌが申し訳なさそうにニコラに答える。
「ごめんねぇ。リュヌは皆とお友達になりたいからお手紙を出しただけなんだぁ……」
「……そうか」
かすかにニコラの眉が下がる。
「でも音楽があったほうが皆楽しいよねぇ。だから皆が無事に集まれたらニコラには音楽を演奏して貰えたら嬉しいなぁ!」
「……!」
眉が元の位置に戻る。微かにだが頬に赤みが差しているような気もする。分かりづらいが。
(何と言うかこの人……)
だいぶ見た目の印象と違うなとフォレスは心の中で呟いた。多分全員がそう思っている。
「これだから魔女って苦手なんですよね……」
魔女は見た目も中身も持っている欲望もしっちゃかめっちゃかで変な人ばかり。まさにこのぐちゃぐちゃの屋敷のようだ。……案外この会場は魔女たちに合っているのかもしれない。
そんなことを考えつつフォレスはまたため息をついたのだった。
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「始まりの合図」
📖ゼロ・キーリアデカ(cv.uta)
👁️🗨️ノーナ・パルカエ(cv.唯純)
🎖フォレス・ヴォイド(cv.瑠莉)
🔨アテナ・ウィンストン(cv.ソノラ)
🎻ニコラ・テンポルバート(cv.日向ひなの)
⏳リュヌ・ブランシュ(cv.はいねこ)
⏳はじめまして賢者様
📖ようこそ 📖👁🗨壊れかけの世界へ
🎖魔法使いと 🔨人間が
🎻共存する 異世界
🔨🎖今 鳴り響く
👁🗨⏳触れた指先が
🎻奏でる
All:始まりの合図
All:廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される 満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束を交わそう
☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽
☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
INU様
https://nana-music.com/sounds/065d1335
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#魔法使いの約束 #まほステ
#魔女ゼロ #魔女ノーナ #魔女フォレス #魔女アテナ #魔女ニコラ #魔女リュヌ
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