東京百鬼夜行
🧹🚬🐰🎻🌹💭👀⏳
東京百鬼夜行
- 74
- 15
- 0
▶▶独りでは怖い ただ傍に居たいだけ
(はぁ……どうしようどうしよう……)
モルタは手の中の義眼を落ち着きなく握りしめながら自問自答を繰り返していた。
(お姉様たちとはぐれてしまうなんて……1人で行動するのは久しぶりです。きっとお姉様たちも心配してます。モルタは悪い子です……)
1番上の姉のノーナが参加すると決めた宴。招待状の魔法で見知らぬ場所にやってきたモルタは姉たちとはぐれてしまった。
目の代わりで、杖でもある義眼を共有している3人は基本的に共に行動している。1人で行動するのは恐らく……100年ぶりくらいだろうか?
モルタは義眼で部屋の様子を眺める。
「それで……ホウライさんだったかしら?本当にこんなもので汚れが落ちるものなの?」
「ええ、勿論!ご不安と仰るのであれば実演致しましょう。古びた机もこのクリームを布につけて擦れば……」
「これは……!すごいですわね!」
「ぴかぴかだ~!ろれーぬもやりたいな!」
「もちろんどうぞ。子供の力でもサッと擦るだけで……ほらこの通り!今ならお一つ購入につきもう一つクリームがついてきますよ!」
「ダイアナ……!」
「ええ、買いですね。エリザベス様」
部屋の真ん中では何故か商談が始まっている。
赤毛の女の子は子供のように見えるが、どうやらかなりの地位にいるらしい。ホウライと呼ばれた女性と巧みに交渉している。
「商品の性能が確かなら、わたくしが代表を務める商会でも取り扱ってもよろしくてよ」
「それはそれは……!購買意識の高い東の国に市場が広がるのはこちらも嬉しいことです」
……正直、モルタにはよく分からない話だ。
モルタは姉たちがいれば満足だし、3人で山でのんびり暮らせればそれ以上望むことは無い。
モルタはかすかにため息をついて、義眼を壁際のソファの方へ向けた。そこには残りの2人の魔女が座っている。
「ぐぅ……ぐぅ……」
「…………」
片方の魔女はソファの上でぐっすり。そして、ヴァイオリンケースを持った魔女の方は一言も発さずにソファに座っている。無表情な横顔が少し怖いのでこちらにもモルタは話しかけられなかった。するとその時、寝ている魔女が寝言を言い始めた。
「うさぎさん……おいかけて……木の中に……こんにちは~……」
「え?何のこと……きゃあっ!!!!」
突然、モルタの上にすみれ色のふわふわしたものが落ちてきたのだ。
「わぁ、ぶつかっちゃったぁ」
「え、これ、何ですか……!」
「あー!りゅぬ!どこいってたの?」
「ロレーヌだぁ。ダイアナもソーンもいるねぇ」
ふわふわがモルタから離れると、それが少女の髪の毛だと分かった。どうやら何人かの魔女とは知り合いらしく言葉を交わしている。
「えっと貴方は……?」
「あ、ごめんねぇ。今退くね。えっと、リュヌはリュヌだよぉ!」
「そ、そうですか……モルタです」
姉たち以外とこんなに近い距離で会話をしたのは本当に久しぶりだ。思わず緊張してしまう。
「それでね、リュヌはいまパーティーがちゃんとできるようにお友達をつくってるんだよぉ」
「へ?は、はい……はい?どういう事……」
「だからモルタも今からお友達だよぉ!」
「へ!?!?」
リュヌは爛々と瞳を輝かせ、両手で手首を握ってくる。思いのほか力が強い。何か怖い。でもノーと言う勇気もない。
(お姉様……!早く迎えに来て下さい……!)
☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽
「東京百鬼夜行」
🌹エリザベス・ローゼンタール(cv.ソノラ)
🧹ダイアナ・ロゼッタ(cv.唄見つきの)
🐰ロレーヌ・デンファレ(cv.瑠莉)
🚬ホウライ(cv.くらげ∞)
💭ソーン・ドーマウス(cv.蓬)
🎻ニコラ・テンポルバート(cv.日向ひなの)
👀モルタ・パルカエ(cv.冬猫)
⏳リュヌ・ブランシュ(cv.はいねこ)
🧹夜の隅で風に化けて 君の肩に
🧹🌹かかる髪を揺さぶる
🐰月が出たら傘を差して 僕の姿
🐰🚬誰も見えないように
💭妖しげな唄を
🎻唄いながら歩く
⏳独りでは怖い
💭🎻⏳ただ傍に居たいだけ
🧹🌹眠らない町に
🐰👀祭囃子 響く
🚬狐がトントン跳ねる
All:どっちだっけ どっちだっけ とおりゃんせ
ちょっとだけ ちょっとだけ 恨めしい
さっきまで さっきまで 忘れてた
💭👀⏳過ぎ去りし日の感情が
🎻まだ僕に取り憑いている
☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽
☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
狐のリサ様
https://nana-music.com/sounds/03182e95
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#リサ伴奏
#魔女エリザベス #魔女ダイアナ #魔女ロレーヌ #魔女ホウライ #魔女ソーン #魔女ニコラ #魔女モルタ #魔女リュヌ
Comment
No Comments Yet.