魔法の本より
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魔法の本より
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▶▶きらきら光るそのページを君とめくる物語
リュヌが扉をあけると、とてつもなく広い部屋が広がっていた。天井まで届く本棚がどこまでも続いている。ここは図書室らしい。
そこでリュヌはそばに居たジェーンの姿が見えなくなっていることに気がついた。
「あれぇ?ジェーン?……はぐれちゃった」
また友達を見失ってしまい、リュヌは肩を落としながらとぼとぼと図書室を進んでいく。
すると桃色の髪の女性と、白色の髪の少女が図書室らしい重厚な佇まいの机に並んで何かを読んでいるのに出くわした。
「はじめまして。リュヌはリュヌだよぉ!2人とも何してるのぉ?」
「はじめまして。私はネージュです」
「はじめまして、私はプリムラよ。今は絵本を読んでいるの。この部屋、たくさん読んだことがない本があるんですもの!私の友達に物語が好きな子がいるの。ここのお話を教えてあげたらきっと喜ぶと思うわ」
プリムラは気さくに話しかけてくる。優しそうな魔女でリュヌは嬉しくなった。逆にネージュは真顔でじっとリュヌのことを凝視してくる。ネージュは自分とお友達になるの嫌なのかな?とリュヌは少し心配になってしまった。
「リュヌは1人なの?」
「うん……お友達といたはずなんだけど、はぐれちゃったみたいなんだぁ」
「そう。それは……不安ですね」
リュヌがまたしょんぼりして答えるとネージュが少し眉を下げて、自分の横にある椅子に座るようすすめてくれた。もしかしたら……ものすごく微妙な表情の違いだけど……自分のことを心配してくれてるのだろうか?
「大切な人と離れ離れになるのは……悲しいことですよね」
「ネージュもお友達とはぐれちゃったの?」
「友達ではないですけれど……大切な人とはぐれてしまったんです」
「まぁ、大変ね……」
ネージュの言葉にプリムラは気の毒そうな声を漏らした。
「でもくよくよしてばかりはいられませんし、今はその人を探して旅をしているんです」
「旅?すごいわね!」
「いえ……。私には人間と魔女の師匠がいて、その人達に色々教えて貰えたから何とか旅が出来ているみたいなものです」
人間の師匠という言葉にリュヌは驚く。
「人間ともお友達なのぉ?」
「人間と師弟関係なんて素晴らしいわね!そんな風に人間と仲良くなれる魔女がもっと増えたらいいのに。私、魔女と人間はもっと仲良くなれると思ってるの!」
「……イヴも同じことを言っていました」
だんだんリュヌにもネージュの表情が読み取れるようになってきた。今は何だか嬉しそうな雰囲気をしている。きっとイヴという人がネージュの大切な人なのだろう。
「人間とお友達かぁ……」
リュヌはパパとママに「魔女は人間に嫌われるから」と言われてお部屋に閉じ込められてしまったけれど、もし人間とお友達になれたら……お部屋を出てもいいのかな?
そんな夢想をしながらリュヌは2人の会話に耳を傾けるのだった。
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「魔法の本より」
❄ネージュ(cv.瑠莉)
🌸プリムラ・ホワイト(cv.さき)
⏳リュヌ・ブランシュ(cv.はいねこ)
All:少し昔のある話
君と僕が出逢ったあの日
きらきら光るそのページを
君とめくる物語
❄それは不思議なある国の話
いつも空には星が輝いて
月のライトが辺りを照らす
街は光で満ち溢れてる
🌸「私は君の魔法が見たいな」
君は僕の眼を見て呟いた
不思議なことに 僕一人だけ
そうさ 魔法が使えない
⏳君は少しだけ微笑んで
汽笛が君に合図する
All:君の魔法が輝いて
僕の心を静かに照らす
「きらきら光る星のような
君の魔法は眠ってる」
少し昔のある話
君と僕が出会ったあの日
きらきら光るそのページを
君とめくる物語
☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽・:*☽
☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
sui様公式より伴奏をお借りしました
https://piapro.jp/suisuisuidao
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#魔女ネージュ #魔女プリムラ #魔女リュヌ
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