【小説】 さかなの言葉(第8話)/鯨のため息
谷山浩子
【小説】 さかなの言葉(第8話)/鯨のため息
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残すところ今日を含めてあと4話です。
続けてお読みくださっている方
本当にありがとうございます。
音楽だけ聴いてくださってる方も
本当にありがとうございます。
今回の音楽は「鯨のため息」という曲です。
もともと音楽劇のために書き下ろされたもので、
とても劇や文学に合う曲と思います。
2回に分けたので、違うコーラスを作りました。
ところどころ原曲を離れ自由に遊んでいます。
今回の企画で、「歌ではないもの、だけど
歌と物語のイメージを両方伝えつつBGMになるもの」
を考えてこうなったのですが、
それには理由がありまして。
長くなるので9話のキャプションに書きますね。
ため息が出るような美しいピアノは
にわとりのとさかさんです🐔
本日も2話分お世話になっております🙇♀️
お読みくださりお聴きくださり、
いつも貴重なお時間をありがとうございます。
深く深く感謝を持って
本編に参ります。
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🐟さかなの言葉8
夏になった。
暑くなると、途端に“うをお” は弱った。
空気の熱で喉が焼けるようだ、と言って水風呂に浸かったきり出ようとしない。病院に行こう、健康保険証なくたって医療は受けられるんだから、と言っても、弱々しく首を振って風呂場に籠った。
水で濡らしながらも本を読み、疲れたら眠る、を繰り返して、“うをお” はそのうち僅かだった食事も摂らなくなった。
「ねえ、このままじゃ体を壊してしまうよ」
どんなに宥めすかしても、“うをお” は自分のしたいようにしかしない。
この世にある言葉を知り尽くそうとせんばかりに、本のページを繰っていた。
その頑なさは、まるで月に帰る前のかぐや姫のようだ。
私はその考えを打ち消すように首を激しく横に振る。“うをお” が、いつかどこかへ帰っていくなど考えたくもなかった。
覇気のない“うをお” に、なんとか元気になって欲しくて、ある夜、海辺へ散歩に誘った。
夜も暑いが、日差しがない分、“うをお” に生気が戻った。
夜の海は静かで、レース模様の美しい銀細工のようだった。寄せくる波は温かで、ゆるゆると浜を湿らせている。
脛まで波に洗われながら、ふたり並んで沖を眺めた。
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【INDEX】
第1話
https://nana-music.com/sounds/0670fa42
第2話
https://nana-music.com/sounds/0670fa51
第3話
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第4話
https://nana-music.com/sounds/06712707
第5話
https://nana-music.com/sounds/067152ed
第6話
https://nana-music.com/sounds/06715306
第7話
https://nana-music.com/sounds/06717f11
第8話
https://nana-music.com/sounds/0671ad81
第9話
https://nana-music.com/sounds/0671ad94
第10話
https://nana-music.com/sounds/0671dd93
最終話
https://nana-music.com/sounds/0671dda3
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#うか小説 #うか谷山浩子
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2commnets
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- 🫘豆いろは_🌙もう、もう、 この残されたトキの中に 引き込まれてしまってます(;_;)