第1話「すべてのはじまり」
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第1話「すべてのはじまり」
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歌番組の収録を終え、事務所に戻った彼女たちは、ミアからの呼び出しで会議室へと向かっていた。
🐈「なんかこういう呼び出し久々じゃない?」
💍「確かに!最近は個人の仕事も増えたから、別々に伝えられることが多くなったもんね」
🍮「てか、全員集まったの自体久々だったじゃん」
🛍「そうね」
キューフェスに出場してからというもの、彼女たちの人気はかなり絶好調で、いろいろな現場から引っ張りだこ状態であった。
そのため、全員が集まるどころか双子同士でさえなかなか会えない日々が続いているのである。
🍰「ねぇ、せっかく集まれたんだし、このあとどこか行かない…?」
🐕「いいね!私、この前良い個室のお店紹介してもらったから、そこ行こうよ!」
わいわいと話をしつつ、会議室に到着すると既にミアが待っていた。
メンバーは急いで席につき、ミアの言葉を待つ。
🔖「…皆さんお疲れ様です。プロデューサーよりあるお話を預かりました。意見を聞かせてください」
ミアは主催ライブの話が来ていることについて、メンバーにも共有した。
🔖「以上がプロデューサーからの伝言になります。皆さん、いかがでしょうか」
メンバーたちはしばらく考え込むようにして口を閉ざしていたが、ミレイが口を開いた。
🛍「ううん…やりたい気持ちはありますが、やはりまだ早いように思えます」
🍰「わたしたち、まだまだ新人だしね…」
🐕「正直、集まってもらえるとは思えないですね…」
🐈「でもそれって、すぐに決めなきゃいけないんですか?」
それぞれが苦しい答えを出すなか、モモが疑問を口にした。
🔖「いえ。ですが、来月末までには必ず答えが欲しいそうです」
💍「そうしたら保留とかどうですか?まだ時間があるなら、もう少し考えたいです」
🍮「同じくです。せっかくいただいたチャンスですしね」
🔖「なるほど、わかりました。…では、できる限り来月中旬までには答えを出していただくようお願いいたします」
*
🔖「では、以上になります。お疲れ様でした」
🌟「お疲れ様でした!」
会議室から退出したメンバーたちは、それぞれの考えを話しながら事務所の出入り口へと向かっていたが…、
💍「痛ッ…!!!」
その途中、突然わざとらしくレイナに誰かがぶつかり、不意をつかれたレイナはよろめいて尻餅をついた。
🍮「レイナちゃん!?…ちょっと、何するんですか!」
メンバーはレイナに駆け寄り、わざとぶつかった犯人へ視線を向けた。
「わ〜こわいこわい!ぶつかっちゃっただけなのにそんな顔しないでよぉ!」
「つかアタシら先輩よ?そんな睨んじゃっていーのぉ?」
ニヤニヤとしながらメンバーを見下ろしているのは、事務所の先輩アイドル・Love Elfのミナツとユキハだった。
このふたりは事務所内でも有名で、"目をつけられたら終わり"という話を聞くほどの悪評が目立つアイドルだった。
それにすぐに気がついたミレイが、メンバーを手で制する。
「ミナツ、ユキハ!次の仕事だ」
「はーい」
「このこと言ったら潰すからね♪」
Love Elfのふたりが何をしたのか、その全てを見ていた彼女たちのマネージャーは、完全に見て見ぬ振りをしてさっさと姿を消した。
ふたりもマネージャーを追うように姿を消し、その場は静寂に包まれた。
🐕「レイナちゃん、大丈夫…?」
💍「だいじょぶ…びっくりした」
🐈「そりゃそうだよ…!」
ミレイはレイナの背をさすりながら、Love Elfが去っていったほうを睨みつけた。
🛍「あれは…目をつけられたら終わりって有名なLove Elfのふたりね…」
🍮「嘘…それって」
🍰「目を、つけられた…?」
楽しかった雰囲気は一変し、彼女たちのなかに絶望感が渦巻きはじめた。
「へー、主催ライブ、ね」
「あたしたちより先に話が来るなんて生意気なのよ」
「「絶対潰す」」
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