二人声劇朗読台本「興月歌の物語~罪の束縛~(前編)」
コラボ者様 台本 ヴェルギール 伴奏 NOB伊織様
二人声劇朗読台本「興月歌の物語~罪の束縛~(前編)」
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男性役モノローグと女性役台詞の二人声劇朗読台本です。
創作男女「興月歌(きょうげつか)」の物語~罪の束縛(つみのそくばく)~
実は悲惨ななれそめの主従夫婦のお話です。長かったので前編と後編に分けました。
◼️後編もよろしくお願いいたします!
https://nana-music.com/sounds/065fa9c8
追記:台本文字数に不備があったので、全4章の改訂版を作りました。どうぞよろしくお願いいたします。
初稿版をコラボしてくださった皆様、ありがとうございます!改訂版もどうぞよろしくお願いいたします!
◼️改訂版第1章
https://nana-music.com/sounds/066089eb
◼️…男性役モノローグ
◎…女性役台詞
二人声劇朗読台本ですが、全てを一人で朗読することも可能です。
↓↓↓↓↓ここから台本です。
「興月歌(きょうげつか)」の物語。
~罪の束縛~
◼️
昼下がりの縁側に、私は妻と身を寄せあっていた。
つがいの小鳥が飛んできた。二匹は互いをくちばしでついばみ合うと、また二匹揃って、飛翔していった。
私は傍らにいる妻を抱き寄せ、抱きしめた。
小柄な妻は、私の腕の中に完全に包まれてしまう。
私の腕の中にいることを認識し、彼女は羞恥に顔を伏せてしまう。
そんな彼女の身体にゆっくりと手を這わせ、私は充足のため息をつく。
この手の中に、自分の最も愛しい者が居ることを、何度も自覚しながら。
腕の中の彼女は、ゆっくりと顔を上げて私を見た。
身体をいたわる私の言葉に、彼女は答えた。
◎
「あなたのご寵愛をたまわるのが、私の義務なのに、あなたはいつも私を気遣ってくださいます。
あなたはすごく優しくしてくださって、私を絶対に苦しめない。
私は……あなたの、奴隷なのに……」
◼️
奴隷。
そう、私と彼女は、夫婦という関係と、主人と奴隷という関係。
それと、もうひとつ。
過失致死の被害者と加害者。
私は一度、我を忘れ暴走した鬼と化した彼女に、殺されたことがある。
彼女は禁断の契約によって、自分の命を半分にし、半分を私に移植して、私を蘇生させた。
しかし、私は正しく蘇らず、彼女も半分だけの命では生きられず、私と彼女は文明生物とは別物(べつもの)に変異していた。
生きてもない、死ぬこともできない、ただ存在するだけの存在に。
彼女は、私を殺した罪、禁断の契約を結んだ罪を、背負うことになった。
↑↑↑↑↑前編の台本はここまでです。
よかったら、後編もよろしくお願いいたします!
https://nana-music.com/sounds/065fa9c8
◼️「興月歌」関連台本のリスト
https://nana-music.com/playlists/3858654
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2commnets
- ヴェルギール(上野伊織)@総合創作垢
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました。