二人声劇朗読台本「興月歌」の物語～罪の束縛～(後編)

コラボ者様　台本　ヴェルギール　伴奏　りぃ様

男性役モノローグと女性役台詞の二人声劇朗読台本です。 創作男女「興月歌(きょうげつか)」の物語～罪の束縛(つみのそくばく)～ 実は悲惨ななれそめの主従夫婦のお話です。長かったので前編と後編に分けました。 ◼️前編もよろしくお願いいたします！ https://nana-music.com/sounds/065fa740 追記:台本の文字数に不備があったので、全４章の改訂版を作りました。どうぞよろしくお願いいたします。初稿版をコラボしてくださった皆様、ありがとうございます！改訂版もどうぞよろしくお願いいたします！ ◼️改訂版第１章 https://nana-music.com/sounds/066089eb ◼️…男性役モノローグ ◎…女性役台詞 二人声劇朗読台本ですが、全てを一人で朗読することも可能です。 ↓↓↓↓↓ここから台本です。 「興月歌(きょうげつか)」の物語。 ～罪の束縛～ ◼️ 消えない罪を償い続けるために、彼女は自分自身を奴隷として、私を主人として臣従している。 私にそれを拒否することはできなかった。自分自身の罪の重さに潰されそうになって苦しむ彼女を救うには、彼女の望む償い方を、受け入れるしかなかったからだ。 だが、私も彼女に要求した。 私の妻となり、私の好意を受け入れ、私の愛情を受けること。 私の要求は、彼女にとって非情なものだったかもしれない。 自分でも時々、自分の残酷さを自覚するときがある。 だが、私は彼女を手中におさめておきたかった。 片時も手放したくなかった。 私は彼女を好きになったときから、独占欲を感じるようになった。 私は彼女を自由にはしない。 妻という檻の中に束縛している。 それは本当の愛情と言えるのか。 その葛藤は常に私の中に潜む。 そんな私に、彼女は言う。 ◎ 「私を手放さないでくださいまし。 私を捕まえて、放さないで。 あなたに束縛されていると、私は自分の罪を永遠に覚えていられる。 いつまでも償い続けることができる。 ……あなたを、愛し、愛されることが許される」 ◼️ 私は訊いた。 それは、お前にとって苦しいことではないか?、と。 彼女は首を振って否定した。 ◎ 「あなたが与えてくださるものならば、苦しいことも、苦しくはない。 あなたは、私の罪も含めて、全てを受け入れて下さったのだから」 ◼️ 彼女の言葉に、こみ上げるこの感情は、「愛しさ」なのだろうか。 私はこうしていつも、彼女に幸福を垣間見る。 ↑↑↑↑↑台本はここまでです。 ◼️「興月歌」関連台本のリスト https://nana-music.com/playlists/3858654 ↑↑↑↑↑後編の台本はここまでです。 よかったら、前編もよろしくお願いいたします！ https://nana-music.com/sounds/065fa740 #宝塚歌劇団 #エリザベート