第1話 邂逅(中編④)
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第1話 邂逅(中編④)
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中編④
オリヴァー「…ここで会うんじゃないのかい?」
イリス「…いいの。いつかお姉ちゃんに会わせてくれるんでしょう?」
オリヴァー「……あぁ。」
イリス「じゃあ、約束!ね?」
丁度いいタイミングだったのか、図ったのか、ウィリアムが戻ってきた
ウィリアム「あれ?もう帰っちゃうの?もう連絡しちゃったよ。あの慌てようだったら、案外すぐ来るかもね。いやぁ、あんなアリスちゃん初めてだよ!」
オリヴァー「………そう。じゃあ、終わる頃にここに連絡してくれ」
オリヴァーは名刺を取り出し、ウィリアムに渡す
ウィリアムは何か言いたげだったが、それを隠して了承する。何故なら、オリヴァーが複雑な色をその表情に初めて顕(あらわ)にしたからだ
ウィリアム「…OK」
イリス「え?お姉ちゃんに会っていかないの?」
オリヴァー「………まだ、ね。」
悲しげに微笑むオリヴァー
イリス「…………」
イリスは言葉を飲み込んだ。いつだって彼は優しい。自分を口実に使って、存分に利用すればいいのに、彼はそれをしない。その行動が彼の優しさを物語っている
ウィリアム「ちなみに、先生のことは、アリスちゃんには言ってないよ。」
オリヴァー「助かるよ………先生?」
ウィリアム「ぴったりだろう?君は誰かの師であると同時に、誰かの大切な存在なんだろうね。」
見透かしたようなことを言うウィリアム
オリヴァー「半分正解で半分不正解だ。俺の友人には劣るが、君の情報網も確かなようだね」
ウィリアム「それは嬉しいね!」
オリヴァー「イリス、また迎えに来る。アリスティアと存分に話しておいで」
イリス「………うん。ありがとう」
オリヴァーは店を後にした
ーーー
すると、オリヴァーと入れ替わるように…
?「……イリス!」
勢いよく扉が開き、店の中にイリスと瓜二つな顔をした女性が入ってきた。分けられた前髪と、色違いの目が特徴的な彼女は、正真正銘、イリスの姉、アリスティアだ。
イリス「………ぁ、お姉ちゃん…!」
数年ぶりの再会、アリスティアは滅多なことでは変わらない表情を歪め、イリスを力一杯抱きしめる
アリスティア「………イリス」
イリス「…お姉ちゃん……会いたかった………ずっと、ずっと会いたかったの…」
久しぶりの温もりに、イリスは今度こそ涙腺を崩壊させ、ポロポロと涙を流す
アリスティア「………ボクもだよ。」
姉妹はしばらくそのままで居た
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