青春の馬
日向坂46/Covered by🛡クリスタ
青春の馬
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第3話🛡編「レールの敷かれた人生」
「レールの敷かれた人生を歩んできたかわいそうなお方じゃないか」
魔物はクリスタに同情するようにそう言って笑った。
「…かわいそう、か。それはそうかもしれないね」
「かわいそう以外に何があるのさ!なんの面白みもない」
クリスタは自分と関係ないモノに言われて、下唇を噛んだ。
クリスタは、エリートな学歴を持つ両親の元に産まれた、2番目のこどもだった。
1番目のこどもで、クリスタより5つ上の兄のレオは、クリスタが産まれた頃には既にいくつも賞やトロフィーを手にしていた。
両親は自分のこどもにもエリートを要求するひとたちで、幼い頃から勉学や剣術を強制した。
レオはなんでもすぐにできてしまう所謂天才で、両親の期待に簡単に応え続けていた。
クリスタはレオとは違い、時間をかけて完璧にできるようになる少女だった為、明らかにレオよりも学ぶスピードが遅かった。
そんなクリスタを両親は理解していたが、できない人の気持ちがわからないレオは、よくクリスタをばかにした。
もっともその点クリスタは頭が良く、下手に反論したりせずはいはいと流していたのだが。
幼かった彼女たちは、勉学と剣術を強制される生活が当たり前だと思っていたが、学校に入ってからはこの生活のほうが珍しいことを知った。
息抜きに街に出ることも許されなければ、家の中でゲームをしたりすることも許されない。
直行直帰を強制され、学校の帰りに友人と遊ぶこともできない。
もちろんこうしたい!ああしたい!という要望も叶えてもらえない。
その結果、レオは家での生活がストレスと化し、発散の為にクリスタ以外もばかにしはじめた。
レオは瞬く間に嫌われ、孤独になった。
クリスタは羨ましいと思いながらも、学校に何人か友人がいた為、その子たちと無断で遊ぶことでストレスを解消した。
親に敷かれたレールの上を嫌々歩き、他者と比べてつまらない日々を送ってきたクリスタは、"自分と同じ思いをして欲しくない"と思うようになっていった。
しかし、ほどなくして両親が決めた進学先に行く為の偏差値が足りないことを知り、辛くもひとときの息抜き生活は終わりを告げた。
それからは学校での友人とのお喋りで息抜きをしつつ、学校行事も行かせてもらえずにとにかく勉学と剣術にはげまされた。
そして彼女は、ついに可愛い格好をすることも、青春を謳歌することもなく、両親の決めた職業である教師になってしまったのだ。
全てにレールが敷かれてきた人生は、ひどくつまらないものだった。
でも、同じようにレールの上を歩いてきたレオと比べて、楽しかったと思える思い出も確かに存在していた。
レオは人を卑下し続け、人に嫌われてきた為いまも孤独でいる。
そんな兄を、クリスタは嫌いになることなどできなかった。
彼とはエリート両親の同じ被害者なのだ。
クリスタは教師として働いているうちに、自分ができなかった分、みんなに青春を謳歌してもらいたいと思うようになった。
それからは青春先生と呼ばれるくらい、青春を謳歌しろと生徒に笑いかけるようになったのだった。
「確かに最悪だったし、今も最悪だよ。ずっと後悔してる。でもね、レールの上を歩いてこなかったら俺はいまここにいないんだ。恨みきれないのが、一番辛い」
クリスタは魔物の意図を察して、落ち込んだような態度を見せた。
魔物はにやにやと嗤いながらクリスタに近づいてきた。
何かを言おうとした魔物を、クリスタは的確に斬り裂いた。
「…ま、そういうことだ。だから俺は、過去を嫌いになれないんだよ」
クリスタは剣をしまうと、小さく息を吐いた。
to be continued…
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「青春の馬」
🛡クリスタ(cv.ぴぃた±)
自分の力とは どうやって測ればいい?
誰かと比較したところでわからないだろう
どこまでできるか予測していた以上に
思いも寄らない可能性 試したくなる
無謀と言われて
笑われてもいい
立てなくなるまで
走り続けたい
本能のままに生きて行く
君は絶対諦めるな
何があったって…
足を止めちゃ そこで終わる
もう走り出せない
夢が叶う 叶わないかは
ずっと先のことだ
今は何も考えずに
無我夢中(ひたすらまっすぐに)
目指すんだ
青春の馬
Yeah
Yeah
駆け巡れ!
(Never give up! Never give up!
The easy way has no meaning)
。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。
#日向坂46 #青春の馬 #DASADA
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