Leia【つくも奏1周年記念合唱】
ゆよゆっぺ
Leia【つくも奏1周年記念合唱】
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大晦の夜、つくも屋敷では年越しのためつくも神達が集まり宴を繰り広げていた。
…と、いっても宴自体はよくあることというより最早日常的な行為になりつつあるが。
いつもと違う点をあげるのであれば空から降り注ぎ、は辺りを白銀に染める銀花くらいだろうか。
年越しとはいえ、長い年月を生きてきたつくも神達にとっては1年という単位は最早短くも感じるのかもしれないが今年はなんとも濃密な1年であった。
それだけたくさんの出会いがあり、お互いを知る機会がある1年だったということなのかもしれない。
1年間の思い出を話しながらある者は酒をのみ、ある者はごちそうに夢中であり、またある者はそんな皆の様子を見て微笑んでいる。
そんな中、静かな宵闇に響く何かの音。
ゴーン…ゴーン…と遠くで響く鈍い金属の音。
「…除夜、だね。」
皆が壁の時計を見ると長い針は短い針を少し追い越し、斜め右上を向いていた。
「あけましたね!おめでとう〜!!」
「今年もよろしくお願いします、なんて。」
互いに新年の挨拶を交わしてみる。そんな行為も最早何度目だろうか。
もう数えるのも気が遠くなりとうに辞めてしまった。
だけど、良いのだ。
この場所がある。また、今年もこの場所で、仲間達が共にいる。
今となっては当たり前になった長い長い幻夜がまた幕をあけた。
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🎹小夜 🌸水桜
🌕銀月 🌿シュシュ
🏵️牡丹 🪔白杜
💧みいろ
🏰全員
🪔終末のない幻想に
🌿触れた気がした
🌸「なんて呼べばいいんだろう」
🎹変わらない温度
🏵️微笑が内臓を
🌕食いつぶす前に
💧今日を閉じ込めたよ
🏰馳せる未来は灰色
💧🌿望むなら空想
🪔🌕寂れた嘘
🏵️🎹叶うならもっと
🌸(裏と表)聞かせて
🏰心から溢れてた
愛しさをちりばめて
🌸💧🎹🪔君の声に重ねた
恍惚は遥か
🏰形あるものならば
崩れゆくものならば
🏵️🌕🌿この両目は要らない
僕を包んで
🏰Leia…
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宴も終わり夜がふけてゆく。
まだ銀の花は降り注ぎ、世界にはただ鐘の鈍い音だけが響く。
皆解散となり、部屋に戻る者、酔いつぶれ眠る者など自由ではあったが先程までの賑やかな雰囲気とは違い屋敷はいつもよりもなおシンとしている。
先程まであれだけ賑やかだったので尚更、なのだろうか。
…静寂の宵闇1人、というのは様々なものが巡りやすい。
つくも神達は各々闇に戻り屋敷から銀花を見ていた。
ふと考えるのはこの時間のこと、この場所のこと、そして…
「…ご主人」「…姉様」「…もう1人の、私。」
自分を形作り、今尚忘れることのない大切な存在。
永遠と思える長い幻夜が崩れゆく日はいつかくるのだろうか。その時自分達つくも神はどうなってしまうのだろうか。
大切だった、大切な存在を忘れ無に帰すのか。
この作られた身体に溢れる温かな『愛しさ』は何処へ行ってしまうのだろう。
形あるものはいつか崩れゆく、とは言ったものだ。
だが、形ないこの気持ちは?思い出は?
何度も何度も思い出す誰かの声は?
銀花のように消えてゆくくらいならば…いっそ目を瞑り何も考えることなどしない方が良いのかもしれない。
胸の温かさが溢れぬよう蓋をして、ただ1つ、『また1年、もう1年、この1年こそ』と願う。
「もう一度」「まだ」「いつか」
『君の声をきかせて』と…。
#つくも奏 #つくも神 #和風 #nanaユニット
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