第1章 8話
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第1章 8話
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言われた通りに黄色い花を辿りながら森林を出ようとする2人。無事に狐の依頼は達成できるのだろうか……
「本当だ……黄色いお花が咲いています……」
「全く気が付かなかったね…もう少し大きかったら気づいたかもしれないんだけど………あれ…?」
「どうされました?」
「しーっ。……何か音色が聞こえない…?」
「これは……ギターですか…?
え、えっと…行ってみます…?」
「そう……だね。行ってみよう。」
「〜♪」
「なんか……歌ってますね…」
「なんだろう…ちょっと怖いような気もするけど…」
「ん?誰だ?客か?」
「き、気づかれた…」
「そんなに怖がらなくていいって。どうせなら1曲聞いてく?」
「あ、あの……ミュージシャンの方ですか…?」
「あー…、そうだね。もうあんまりやることがないからさ、ここでずっと歌ってる感じかな。
そうだ、名前を言ってないね。俺は柘榴。」
「私は杏と申します。それでこっちが旅人の紗霧です。」
「えっと…君はなんでここで歌ってるの…?街にはライブハウスもあるんだからそこで歌えばいいのに…。」
「そうだね。いずれ考えておこうかな。
俺は今、ここで歌ってたい気分だからさ。」
「お気に入りの場所なんですね。思い入れのある場所かぁ…」
「…………あぁ。
…悪い、俺そろそろ行くわ。」
「そ、そうですか…?」
「俺はふら〜っと赴くままに移動するからね。それじゃ。」
「さ、さようなら…。
変わった人でしたね……。」
「…ねぇ、……本当に人だったよね…?」
「…多分。
でも、考えても仕方ないと思いますので行きましょう…!ほら、もう出口ですよ…!」
「あっ本当だ!行こう!魔法使いさん!」
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