その街の門を叩く
nazna
その街の門を叩く
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宿に帰ったカレンは珍しく騒ぐこともなく、押し黙っている。窓辺の机に向かうと静かに窓の外を見つめる。窓の外はぐずついた灰色の雲…。奥行きのない絵を見ているような気持ちになる。
『…んで、お前の目標は分かったけどさ…それはここに居座って叶うもんじゃないんじゃないか?』
『君が最強に近づいていたら、俺が壁となって立ちはだかる程の強さになってるはずだから、また会えるな』
…キリエの外に出るきっかけの言葉、最強を目指す剣士の言葉を思い出していた。
「…世界は…本当に、本当に広い…。今のうちじゃ、ただ戦うだけ、踊るだけの能しかない。これじゃ、世界樹のリズムに近付けないし…」
最強になんてなれない…という言葉が喉まで出かけたが飲み込んだ。満足してしまったのだ…憑神と息を合わせて踊れる自分に。島で戦闘では一番強い自分に。一通り目標を達成してしまった自分に…。カレンの目線は窓の外から机の木目に移った。茶色の線が複雑に模様を作り出している。
「うちが島で目指した目標の…その先を見つけなきゃ…今のままじゃ、完成した自分で終わっちゃう…」
カレンは一本の木目の線を撫でた。その線は他の線が机の端まで伸びている中、プツリと途中で切れていた。
「おや!またお出かけですか?ご苦労さまです!」
数日後、カレンは飛竜便の駅前に立っていた。以前は門番をしていた下級兵とたまたますれ違い挨拶をされた。…今度は近場でも集落でもなく…大きくて、遠い場所へ行ってみよう…戦うも良し、学ぶもよし…宛もない修行へカレンは出向いて行った。
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街を訪問してください。アンサー時にどの街へ行ったか記載する事。(希望の街がない場合、創作する事も可能。その場合はが大まかな概要を記載する事)
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