【声劇台本】ヒーロー
声: 台本:明烏
【声劇台本】ヒーロー
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なんて 言ったらいいか、
どこから話せばいいのか
俺はヒーローに憧れていた
自信があった、根拠は無かったが
戦地に行ったら、俺は
パラシュート部隊で活躍する気でいたんだ
だが実際に与えられた仕事は軍用車の運転だった
暑い日だったよ、あの日は5人を乗せてた
小さな子供が道に飛び出して来たんだ、
両手を振りながら、助けてくれって叫んでた
だから車を止めて その子に話を聞こうとしたんだ
辺り一帯で即席爆弾が爆発した、
車にランチャーが撃ち込まれて、
スナイパーが大口径の弾で俺たちを狙った
2人が一瞬で撃ち殺された
そのあとは滅茶苦茶だ
弾は跳ね返って
叫び声、割れる窓ガラス、砂煙、血溜まり
後に残ったのは俺だけだった
あとは全部吹き飛んじまった
最悪だった
だが本当に最悪なのはその後だ
同じ罠にかかるわけにはいかない
だから、子供たちがどれだけ道を塞いでも、
俺は止まれなかった
突っ切らなきゃ、ならなかったんだ
俺は今もあの場所でハンドルを握ってる
助けてくれって声がこだまして
俺は、ヒーローに憧れていたんだ
ガキの頃から、ずっと
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Comment
1commnets
- おひさま語りに熱が入って行く感じ良いですねえ!!