【朗/読/台/本】終点
声: BGM:堕ちる haruki 台本:明烏
【朗/読/台/本】終点
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死ぬことについて、考えている。
無論 自殺願望なんてものは無い。
ただ それが何故今では駄目なのかが
わからなくなることがある。
俺は自由で、とても身軽だ。
数人は泣くとしても 家族じゃない。
きっと、すぐに忘れるだろう。
幸福は絶望に似ている。
愛だの恋だの囁き合うのは
ゆるやかな自殺のようだ。
満たされてしまえば、
それ以上 何も望むことがない。
終点。
考えるにつれ、死が何か
変わった植物のように思えてくる。
その植物の芽は
俺が生まれる前からずっと隣にあり続け
感情を養分に育ってきた。
思い返せば俺は小さい頃から
そいつを眺めているのが好きだった。
それしか することが無かったと言ってもいい。
果実を実らせたその植物の甘い香りが、
時折俺を どうしようもなく誘惑する。
このままじっとしていれば
自然に力尽きて死ねるのだろうか。
死にたいわけじゃない。
死のうとしているわけでもない。
俺はただ、土になりたい。
それだけなんだ。
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弁解したところでどのみちつたわらないなら、どうでもいいよ
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