【声劇台本】動物園
○:●: BGM:ノスタルジック いさ 台本:明烏
【声劇台本】動物園
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○「動物園なんて 本当は行きたくなかったの。
檻に入れられた動物を眺めるなんて悪趣味じゃない。
人は多いし 臭いし 哀れで、ちっとも楽しくない」
●街路樹を見上げ 彼女の話に耳を傾ける。
風が冷たい。本当は店内で飲みたかった珈琲も、
もうすっかり冷めてしまっている。
○「でも、なんだかお父さんが可哀想だったから
行きたいって言ってあげるしかなかったの」
●ベンチの足元で風に吹かれた枯葉が小さく音を立てた。
「お父さん、喜んでた?」
○「よくわからなかった。多分
本当はお父さんも動物園になんて
行きたくなかったんだと思う。
ぎこちなくて、なんとなく恥ずかしかった」
●本当のことを言う狂気。全ての女性の特性なのか、
彼女だけのものなのか。
○「あっでも、行きたいなら行こ?」
●咄嗟に口から出ただけだった。
動物園になど行ったことも無ければ
行きたいと思ったことも無い。
○「秋の遠足みたいだね。わたしお弁当つくるよ」
●冷えた珈琲を飲み干す。
ぎこちないと言われた、いつかの彼女の父親を想った。
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