綾崎律花 過去編
綾崎律花 cv繭
綾崎律花 過去編
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平和な日々。幸せな日常。そんな日が永遠に続くと、勘違いしていた。
いつから錯覚していたのだろう。
そんなものが続くほどこの世界は綺麗に出来てなかった。
父は大きな会社の社長で、何不自由なく暮らしていた、
はずだった。
その時は、一瞬、なにがおきたか分からなかった。
気がついた時には、床に真っ赤に染まった3人が倒れていた。
あとから聞いた話によると財産目当ての強盗だったらしい。
それから俺は、痛みというものを感じなくなった。
感情というものが分からなくなって、他人が怖くなった。なにより、たった1人生き残ってしまった自分が怖かった。
妹の夢だったアイドルを目指したのはせめてもの償いだったのかもしれない。
誰かに許されたくて。
自分を許したくて。
アイドルになる資格なんてそもそも俺にはなかったんだ。
これはきっと、そんなものに意味はないのに、許されたつもりになっていた俺への罰だ。
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