しわ
ディアドラ&ローズ
しわ
- 69
- 7
- 0
St. Valentine's Day
Episode1「チョコレートケーキ」
~ 幸せな愛らしい恋の歌 ~
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
この時期のEQCENTRIEQUEのキッチンには
こっそり料理をしにやってくる
歌乙女やマスターが沢山いらっしゃいます。
せっかくバレンタインの贈り物をするのなら
サプライズで用意したいものですからね。
今日もほら、とある歌乙女とマスターが…
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ディアドラが店のキッチンに入ると、
何故かキッチンは一面真っ白になっていた。
よく見ると床を白く染めているのは
小麦粉のようだ。
「まぁ、これは一体どうしてしまったの?」
「わぁっ!こんにちは!」
棚の影からひょこりと顔をのぞかせたのは
桃色の愛らしい歌乙女──ローズだった。
勇ましくフリルのついたエプロンを
身につけているものの、
小さな鼻の先は小麦粉で白く染まっている。
ディアドラは自分で刺繍をしたハンカチで
ローズの鼻をそっと拭った。
「ありがとう!」
「どういたしまして。
ええと、それで…一体何があったの?」
「ローズはね、ケーキが大好きなの!」
「そうなの」
「だからカルはね、いつもローズのために
美味しいケーキのお店を見つけて
美味しいケーキを食べさせてくれるの!」
「カルティフィラムは優しいのね」
カルティフィラムの気弱そうな
それでも思いやりに溢れた笑顔を思い浮かべ
ディアドラが答えると、
ローズは花が咲くように愛らしく微笑んだ。
「うん!ローズ、カルが大好き!
だからローズもカルに美味しいケーキを
食べて貰いたかったんだけど…」
「ああ…上手くいかないのね」
小麦粉が舞い散った床に、
チョコレートの入った大きなボウル。
小柄なローズには大変な作業だっただろう。
「それなら…私と一緒に作らない?」
「えっ?いいの…?」
「私もカサブランカのことが大好きだから
頑張って素敵な贈り物をしたいって
貴女の気持ちがわかるもの。
私がまた誰かを大好きって思える日が
来るなんて驚きだけど…
全てカサブランカのおかげなのよ」
「そっかぁ!それなら素敵なケーキを
作らなきゃだね!ローズも頑張るね!」
数時間後。
二人の目の前にはつやつやとした
チョコレートケーキがふたつ完成していた。
片方は可愛らしくフルーツが盛り付けられ、
片方はクリームで繊細に飾り付けられている。
「わぁ~!美味しそう!
きっとカサブランカも喜ぶね!」
「そうね、それなら嬉しいけれど」
「マスターにプレゼント貰って
嬉しくない歌乙女はいないもん!
にこにこ~ってなっちゃうよ!」
「ふふっ、カサブランカが?
にこにこ~ってなってくれるかしら」
「絶対なってくれるよ~!」
さて、二人のふわふわのチョコレートケーキは
相手をにこにこにできたのか──
その答えはきっと皆様にもお分かりでしょう。
NEXT SWEETS ⇒ February 21
#EQCENTRIEQUE #ディアドラ #ローズ
-------------------------------------------------------------------------
🌹ローズ
💍ディアドラ
🌹愛する人と共に過ごして
どれくらいの時が経ったんでしょう
💍擦り切れた時代は遠ざかって
「人を愛せない」と思ってたけど
🌹💍ノック
君がドアをこじ開けたんだってこと
気付いてるの?
Remember しわが一つずつ増えてく
明日のこと考えるの楽しくなってもう
しわが一つ増えるたびに
昨日よりも幸せそうな君に会えるから
現状維持でいこう
Comment
No Comments Yet.