We Wish You A Merry Christmas
リリー&ディアドラ&カルティフィラム&エリオット
We Wish You A Merry Christmas
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虹色のたてがみを持つ木馬たちがひく
魔法の馬車は夜空を星のように
すうっと切り裂いて走ります。
まず馬車が降り立ったのは
森の中にある木でできた小さな家の前でした。
「エリオの家だわ!」
さっそくルピナスがプレゼントを持って
馬車から降りると、
ちょうどエリオットが家から出てきました。
そして馬車を見て目を丸くします。
それはそうでしょう。
木馬がひく馬車なんてそうそう見れません!
「ええっ…!?この馬車どうしたのルピナス」
「ふふふっメリークリスマス、エリオ!今日は貴方の歌乙女のルピナスじゃなくて、サンタさんなのよ」
手渡された包みには手編みの帽子とマフラー
それに靴下のセットが入っていました。
ルピナスらしいプレゼントに
思わずエリオットは笑みを浮かべます。
「何の捻りもないけれど、やっぱり寒い時期に体を壊してほしくないし、わたしの気持ちがこもったものでいつもぽかぽか温かくなってもらえたら嬉しいから…」
「ありがとうルピナス。いつも良くしてくれて本当に感謝してるんだ…だから、あの、僕からもこれ……この前のお休みに買いに行ったんだ。気に入ってくれればいいけど」
「まぁ!素敵な花柄のエプロン!大切にするわね。あぁ使うのがもったいないわ!」
「もう…せっかくだからちゃんと使ってね」
いつしか雪が降り始めていましたが、
二人の心はぽかぽかと
いつまでもいつまでも暖かいままなのでした。
◇◇
次に馬車が降り立ったのは、
ガス灯の煙る街中のとある家の前です。
「次はディアね」
カサブランカは優雅な仕草で
まるで女王様のように馬車から降り立ちます。
その姿に思わず三人は
うっとりと見とれてしまいました。
「こほん…メリークリスマス!」
咳払いをして気を取り直し扉をノックすると
ほどなくディアドラが扉を開けました。
赤いケープを着たカサブランカに
驚き目を丸くしています。
「あら、カサブランカ!これは一体どういうことなのかしら?」
「そうね、その……皆に誘われて。わたくし今日だけ貴女のサンタクロースなの。いつもドレスをありがとう。どうか受け取って」
カサブランカの贈ったプレゼントは
美しい細工の髪飾りと櫛でした。
「ディアったら、わたくしの髪やドレスは綺麗にしてくれるのに、自分には必要最低限のことしかしないでしょう?わたくしと同じ銀の髪、せっかく綺麗なんだから…勿体ないわ」
「まぁ、カサブランカ…ふふふ…」
「ディア?どうしたの?」
「私たち、本当に似たもの同士なのね。カサブランカも私からのプレゼントを受け取って」
なんと、ディアドラから手渡された
プレゼントは手製のレースの髪飾りでした。
二人は二つの髪飾りを暫く見つめた後、
同時に笑い出しました。
雪のように光る二人の銀色の髪に
それぞれの髪飾りは
きっと美しく輝くにちがいありません。
◇◇◇
さあ、次に馬車が向かったのは
見渡す限り建物も何もない荒野の真ん中です。
「リリー!ただいま!」
物珍しそうに辺りを見回している
三人もそっちのけでサフランは
降りかけで空に浮かんだままの馬車の上から
ぴょんと飛び降りました。
身軽なサフランはこれくらいへっちゃらです。
焚き火の側で立ち上がったリリーは
サフランの姿を見て不思議そうに尋ねます。
「サフランおかえり。どうしたのその服…ウルツァイトさんから借りてきたの?」
「メリークリスマス!そう!今日はね、あたいはリリーのサンタさんなのさ!」
「あはは!また面白い事を考えついたんだね」
サフランはリリーに小さな包みを渡します。
包みの中から出て来たのはシンプルで
落ち着いた色合いのブレスレットです。
「リリーに髪飾りもらって、あたい踊り出したくなるくらい嬉しかったからリリーにおんなじ気持ちになって、つけて貰えたらいいな!」
「ありがとうサフラン。うん…すっごく気に入ったよ。私からもプレゼントがあるから受け取って貰えるかな?」
「これ何だい?」
「コインケースにだよ。そろそろサフランにお小遣いを渡すようにしたいから、丁度良いかなと思ってね」
お小遣いと聞いたサフランは
途端に嬉しそうに目を輝かせました。
サフランはリリーにぴょんと飛び付くと
そのままくるくると回り始めます。
「ありがとう!嬉しいよ!せっかくのクリスマスだからね!リリーも一緒に踊っちゃおう!」
「そんなこと言って、サフランは毎日歌って踊ってると思うけど…ま、いいか。今日はクリスマスだからね」
ツリーもリースもないけれど、
二人で歌って踊れば最高のクリスマス。
夜空の下で二人は楽しそうに踊り続けました。
◇◇◇◇
最後に馬車が降り立ったのは
小さな田舎町の石畳の上でした。
「ローズの住んでる町だよ!」
馬車から降りたローズは
道の向こう側から歩いてくる人影を見つけて
嬉しそうに駆け寄りました。
「カルー!お仕事お疲れ様!」
「ろ、ローズ!?どどどうしたの!?そんな可愛いケープなんか着て…えっ、もしかして、あれかな?せっかくのクリスマスに、仕事のせいでローズと過ごせないのが悔し過ぎて幻が見えてるのかな…!?!?」
「もー!ローズはローズだよっ!」
「やっぱりローズだ……!どうしたの…?」
するとローズはじゃん!と掛け声と共に
プレゼントを取り出します。
「メリークリスマス!今日のローズはカルのサンタさんなんだよ!プレゼントあげる!」
「………」
「カル?」
「ハッ、ごめんごめん!ローズ、可愛すぎるよぉ…世界一可愛いサンタさんだよ!本当にありがとう!!えっと、これは……?」
「プレゼントはね、カルがお仕事のときにつけてられるようなちっちゃい時計にしたよ。ローズがお家でお留守番しながら、待ってるよー!っていつも応援してること、思い出してにこにこしてくれたら嬉しいのー!」
箱の中から出てきた時計は
桜色の小さな文字盤が街灯の光を浴びて
ちらちらと輝きを反射している。
カルティフィラムは感極まったように
目を潤ませて時計を胸に抱きしめました。
「ありがとうローズ…。これでお仕事もっともっと頑張れるよ…!あっ、そうだ私からもプレゼント…!すっごく悩んで今日までかかっちゃったけど、帰り道でぴったりのものが見つかったの。これ…花びらのイヤリング、とっても可愛かったから、これにしちゃった…!」
「わぁかわいい!つけてつけて!」
ローズの耳元で、カルティフィラムの手元に
お揃いの桃色の輝きが
きらきらと暖かく光を放ちます。
そうして二人は手を繋いで
仲良くおうちに帰ったのでした。
◇◇◇◇◇
こうして四人のサンタさんたちは
無事にプレゼントと幸せなクリスマスを
届けることができたのでした。
「めでたしめでたし」
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🥾リリー
💍ディアドラ
🌿カルティフィラム
⏳エリオット
🥾We wish you a merry Christmas,
💍We wish you a merry Christmas,
🌿We wish you a merry Christmas,
⏳And a happy New Year
🌿🥾Good tidings we bring To you and your kin
⏳💍We wish you a merry Christmas
(全員)And a Happy New Year.
⏳bring us some figgy pudding
🌿bring us some figgy pudding
💍bring us some figgy pudding
🥾and bring it right here.
⏳💍Good tidings we bring To you and your kin
🌿🥾We wish you a merry Christmas
(全員)And a Happy New Year.
(全員)
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
And a happy New Year
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#リリー #ディアドラ #カルティフィラム #エリオット
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