【声劇】拝啓、兄上 【鬼滅の刃】

煉獄千寿郎:

無限列車を観て、書きました。 二次創作です。 千寿郎の兄上に宛てた手紙です。 作中では、一人称「僕」「俺」でしたが、手紙なのもあって「私」です。大きくなったら私って言ってそうだな。みたいな。 遺言通り、自分の進むべき道を選んで、模索しながら私なりに、沢山の努力をしてきました。 でも、二十歳になったこの歳にふと、思ったのです。 貴方だって、泣きたい夜も叫びたい夜もあったろう。 でも、私はそれを知らない。 あの頃の私にしかできない事も、今なら、あったのかなとも思う。 けれど、あの頃には、それすらもさせて貰えなかった。 出来なかった。 あらためて、気丈な人だったな、と思う。 (台本の下に愼寿郎視点シチュ貼りました) 拝啓、兄上 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 兄上、私はまた一つ歳をとりました。兄上と同じ時を過ごしていれば兄上を越えていくなど思いもつかなかった筈ですが、こうして兄上と歳が同じになって気付かされた事があります。 私はあの頃と何一つ変わらない子供のままです。 兄上と同じ歳になったと言うのに。 私が知らなかっただけで、きっと貴方もそうだったに違いない。あんなに大きな責務さえ抱えていなければ。 兄上、貴方は、悔しくても惨めでも、前を向き、困難に立ち向かい、足掻いてもがいて、辛くとも悲しくとも、恨み言一つ言わず私に笑顔を見せてくれていたのですね。 その事が今になって私の胸を引き裂くのです。 もっと寄り添えば良かった。支えられれば良かった。願ってももう、叶う事はありません。 兄上が、皆さんが、繋いでくれたこの命、私自身が私を活かせる事で、全力でお返ししていかなければ。 今日、この日にそう決意致しました。 そして、私も命を繋いでいきます。全うして生きていきます。 兄上、見ていてくださいね。 その暁には、また会える日を楽しみにしています。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 千寿郎は、あの日から毎日欠かさず文を書いていた。 それは、今は亡き兄に宛てた文だった。 それで前を向けるなら…と特に口を出す事はしなかった。 数えで二十歳になる歳にその全てを燃やすと言い出した。 七年間分の文は相当な量だった。 「良かったのか？千寿郎」 炎の前に立つ千寿郎に問うた。 「ええ。どうしても兄上に読んでいただきたかったので」 千寿郎自身が轟々と燃えているようだ。 これは彼の心の様なのだろう。 そんな事を思いながら、そうか。とだけ返した。 「手伝っていただいてありがとうございます、父上」 そう言って振り返った千寿郎は、大人びた顔つきで、笑った。 拝啓、兄上 の全文 https://twitter.com/nagimcssi7/status/1361153362662580230?s=21 BGM DOVA-SYNDROME 雪空 もっぴーさうんど様 #鬼滅の刃 #二次創作 #無限列車 #煉獄千寿郎 #榎木淳弥 #煉獄杏寿郎 #煉獄愼寿郎 #フリーコラボ #ナギの台本 #一人声劇 #声劇 #朗読