【37】ホラホラほうらい豆
都雲(つくも)
【37】ホラホラほうらい豆
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千葉県安房郡千倉町。石氏弌採譜。郷土文化協会『篠笛日本名曲集2』(尾原昭夫編)並びに柳原書店『日本わらべ歌全集6下』より。五音構成【レミソラド】譜面キー【Dm】歌唱キー【Bm】ドレミ歌唱は正確な旋律を伝えるためですが、歌唱キーでなく譜面のドレミを唄っています(1小節目の歌唱レレレラドの実音はシシシ#ファラ)。
■歌詞
ホラホラほうらい豆 十六ささげ
ささげが大きくなって嫁にいた
(ささげが嫁に行って追い出された)
お留(とめ)が大きくなったら江戸へやる
お江戸じゃちりちり ちりめんづくし
お江戸じゃちりちり ちりめんづくし
いなかじゃ菜種の花ざかり
ほうらい豆:いり豆(の豆菓子)
十六ささげ:長いさやの豆。ここでは年頃の少女の比喩
お留:乙女?
ちりめん:江戸なら縮緬の着物が着られるという憧れの表現
■歌詞の異同
篠笛名曲集とわらべ歌全集では歌詞が一部異なり、ここでは篠笛名曲集の歌詞を唄っています。個人的に三番の歌詞が好きで、尺の都合で二番を飛ばし三番を唄いました。子守唄協会HPの歌詞解説は「嫁に行くなら、ちりめんが着れる江戸の方が…」で、それが正解と思いますが、私は最後の「いなかじゃ菜種の花ざかり」が、江戸のちりめんより美しく歌われているようにも感じました。関東には江戸子守唄系以外の子守唄はほとんど見当たらないなかで、きわめて貴重な子守唄──と紹介されています(全集6下p212)。
■都雲(つくも)
周知のように九十九里浜の九十九は「つくも」とも読みます。千葉は位置的に江戸(東京)の空と雲がよく見える場所。見上げる視線が憧れかどうかは微妙と思いますが、守り子たちの命名は都雲(つくも)。
■歌唱コード
(Bm)ホラ(F#m)ホラ(Bm)ほうらい(F#m)まめ
(F#m)じゅうろくささ(Bm)げ
(G)ささ(A)げが(F#m)おおきくなって
(G)よめ(F#m)にい(Bm)た
Comment
5commnets
- momi女の子なら皆憧れたでしょうね。 田舎では農業の傍ら養蚕もやっていた家が多くあったようで、一生懸命自分たちが拵えた絹は江戸へ流れ、自分の着物は絣や木綿など地味なもの…という寂しさも少し感じるように思えますね。
- 冬濤
- momiこの歌が作られた時代にもよりますが、幕末〜明治初期ならホントの江戸縮緬かも?明治に入ってからは染色や柄がぐっと華やかになります。江戸ちりはシボでふっくらしていても繊細ですごく軽やかでとろっとしている生地です。大正〜昭和初期になるとそこに錦紗縮緬という選択肢も出てくるかなと思います。 どちらも素敵な着物なのでご興味がありましたら検索してご覧になってみてください☺
- 冬濤
- momi都会に行くと皆縮緬の着物(凄く高価で色鮮やかで華やかなものだったと思います)なんか着てすっかり人が変わったようになっちゃうけど、ココで見たあの菜の花の美しさを忘れないでねという風にも取れました☺