【36】ねんねころいち
明日香(あすか)
【36】ねんねころいち
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奈良県。町田佳聲採譜。郷土文化協会『篠笛日本名曲集3』より。五音構成【ラドレファソ】譜面キー【Dm】歌唱キー【Am】冒頭のドレミ歌唱4小節は歌いやすくするためのウォーミングアップ。同様に「ねたこはかわい」と「このないひとは」の後の休符1小節は譜面にない付け足しです。
■歌詞
ねんねころいち ねた子はかわい
おきてなくこは つらにくいよ
ねんねころいち このないひとは
ねこをこにして だいてねるよ
譜面17小節以降(今風にいえばBメロ)の歌詞は、現代基準なら差別として問題視される表現でしょう。筆者は表現に問題を感じること自体は、心の自由としてむしろ支持しますが、表現を抹殺して、あるいは書き換えて、心をコントロールしようする現代社会には明確に反対の立場です。よって歌唱も歌詞も、当時の表現をそのまま尊重しています。守り子視点でいえば、ここの歌詞は韻を踏む遊びで(ねんねこ→このない→ねこをこに)この遊び感覚は、筆者的にはそのまま残したい部分でもあります。
■明日香(あすか)
奈良の守り子たちには、やはりこの名前を付けたいな──というのが筆者の感覚。明日香、飛鳥は、現代でもよく名前に使われる美しい言葉。守り子たちは万葉集など興味なかったかもしれませんが、歌に詠まれた二上山の姿は毎日、目にしていたかもしれません。
うつそみの人にある我れや明日よりは二上山を弟背(いろせ)と我が見む。大伯皇女(おほくのひめみこ)。謀反人として処刑された同母弟・大津皇子を悼んで詠まれた歌。
■歌唱コード
(Am)ねんねころいち
(F)ねたこは(Em)かわ(C)い
(Em)おきてなく(Am)こは
(Dm)つら(Em)にくい(G)よ
(F)ねんねころ(Am)いち
(F)このない(Dm)ひ(Am)と(Em)は
(C)ねこをこに(Am)し(Em)ー(C)て
(Em)だい(C)て(Em)ねる(G)よ
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