【33】ホラねろねんねろ
真弓(まゆみ)
【33】ホラねろねんねろ
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福島(会津高田)。大越大雄採譜。郷土文化協会『篠笛日本名曲集2』(尾原昭夫編)より。五音構成【ドレミソラ】譜面キー【C】
■歌詞
ホラねろ ねんねろ ホラねろや
ねんねろ ねんねろ ホラねろや
100%ねかせ唄とでもいうか「ほら寝ろ!」以外何も言っていません。注目される歌詞ではないし、専門家も興味は向けないでしょう。でもこれは歌です。さっさと寝ろと命令しているのではなく、守り子たちは歌っています。様々な感情はあったでしょうが、歌うことは、きっと楽しかったと思います。今日の私たちと全く同じように。
■追記
この歌詞にも出てくる「とと」を、私はある資料から魚の幼児語と解してきましたが、仙台中央放送局編『東北のわらべうた』(昭和29年発行)に掲載されたこの唄の注は「とゝ(汁)」となっていました。同書は民謡研究家武田忠一郎氏採譜の譜面で、これには歌詞二番以降も紹介されています。
■真弓(まゆみ)
会津といえば白虎隊かもしれませんが、福島は万葉集北端の地でもあります。ここで詠まれた東歌には安達太良真弓(あだたら山で作られたよい弓)という言葉がよく出てきます。令和のような古語の響きはありませんが、真弓は万葉集の時代から使われている日本語です。
■歌唱コード
(F)ホラねろ
(Em)ねん(Am)ねろ
(Em)ホラ(Am)ねろ(G)やーやー
(F)ねん(Em)ね(Am)ろ
(Dm)ね(Em)ん(Am)ねろ
(F)ホラ(Em)ねろ(G)やーやー
■別資料による二番以降の歌詞
ねんねろ ねんころ だん(誰)だかや
ねんねの 息子は どこへ行った
野越え山越え 里へ行った
里のかへりに 何もろた
でんでん太鼓に 笙の笛
赤いまんまに とゝ(汁)かけて
さくりさくりと くれんべいな
したから泣かねで ねんねろや
武田忠一郎採譜
仙台中央放送局編『東北のわらべうた』
(昭和29年発行)
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